小1/サピックス:小1サピックス通学生の受験結果が芳しくない(?)理由の考察

2016年06月(小1)

2016年2月某日、夜。

 

ワインを飲みながら、僕と妻の会話。

 

僕:「娘には中学受験の機会を与えるつもりだけど、問題は塾だな。どこにするか、いつから通うべきか。某大手進学塾の社員(=講師ではなく戦略立案担当)が大学の先輩にいるので、いろいろ聞いてみたけど、小学校3年生の2月、つまり小4の勉強開始時点での組み分けテストの時点でクラスが決まるが、実際にはそこで決まったクラスから上に這い上がるのは、とても難しいシステムになっているらしい。20年前の開成の問題が、現在偏差値50レベルの問題になってきており、つまり、パターン学習だけで膨大な時間を要するようになってしまった。だから、20年前みたいに、小6の2月から開始して間に合うなんてことが、ほぼなくなってしまったのだとさ。」

 

妻:「なるほど。では、どこに、いつから通うかが問題だね。」

 

僕:「以下理由から、僕は、小1からサピックスが良いと思うんだよね。

 

①僕がいつ海外転勤になるか分らない。転勤するかもしれないし、しないかもしれない。不確実性が高いし、自分でコントロールできない。だから、早いうちにサピックスのシステムや、問題形式に慣れておけば、仮に海外転勤した場合でも、通信教育の教材を使って、小3の2月の時点までの準備が可能になると思う。

 

②我々は夫婦共働きなので、娘が塾に通う場合は、一人で電車に乗る必要がある。だから、自宅から電車でもっとも近いところに通うしかない。乗り換えリスクは、ちょっと小1の段階では取りたくない。だから、自宅から最も近い場所にあるのがサピックスなので、サピックスで良いと思う。

 

まあ週に1回だけだから、小1から開始しても、特に害悪は無いと思うんだよね。」

 

妻:「そうだね。受験情報の収集の観点からも、塾に通い始めて良いかもね。」

 

僕:「でも、、、大手書店で受験関連の本を読んでみたけど、低学年からの通学は意味が無い、なぜならば小学校受験の延長戦みたいなクイズみたいな問題は、中学受験の問題とは直結しない、という主張が多いんだよね。いまのところ、低学年からのサピックスに意味がある、と根拠をもって書いている本には出会っていない。大手塾の経営上の、顧客囲い込み戦略に過ぎない、と。習い事感覚ならば、やってもいいでしょう、くらいのトーン。でも、うちは、海外転勤に備えてサピックスのノウハウを把握しておく、という明確な目標があるから、これを理由に通うことにしよう。」

 

・・・そして、2016年6月の現在。

 

その後、小1からのサピックス通いの経験、そして書店での受験関連書籍の乱読(=僕は読むのが速い方なので立ち読みでカバーできる)、いろいろな方のブログ、の情報を収集し、分析した結果、「なぜ低学年からのサピックス通学者の中学受験パフォーマンスが悪いのか?」、という問題に対して、以下仮説を立てるに至りました。

 

(1)そもそも、本当に低学年通学者のパフォーマンスは悪いのか?

ネット情報やサピックスの合格体験記などには、「小1から入っていたけど、小4くらいで入ってきた優秀な子供にどんどん抜かれる」といった情報が多い。しかし、小1から通い続けた母集団の受験結果については、とくに信憑性のあるデータには出会わなかった。

 

2022年受験組では、小1から616名が現在サピックスに通っているが、成績が正規分布だと仮定すると、偏差値70で上位2%なので約12名、偏差値60で上位16%なので約100名だ。仮に、小4で2,000名が入ってきたら、偏差値70で40名、偏差値60で320名。あたりまえだけど、小1と小4の層が「同じ」ならば、小4から入った人が小1を抜かす、というというのは単に確率の問題にすぎない。でも、この「早い時期から始めたのに、抜かされた」というネガティブな話は人間の記憶に強く残る。よって、この話が飛躍して、「小1からの通学者のパフォーマンスは芳しくない」という伝説(?)になっているように思う。

 

(2)低学年サピックス(小1-3年)の内容と、4年生以後の内容が関係が低いのでは?

低学年での学習が、高学年での学習に直接影響を与えたり、また学習速度を加速させるような仕組みになっていないのかもしれない。僕の読みでは、「全く無関係ということはないが、直接は関係しない」、である。まだまだ基礎的な学習であり、算数については、恐らく小学校受験の問題に近いパズルのような問題が多い印象。パズルの効能を否定するものではないが、受験テクニックとは直結しないのは明白。

 

(3)小1から通学させる親の特殊性があるのでは?

子供に対する教育熱意が高いという良い意味においても、その裏返しである「教育ママ、パパ」という悪い意味においても、マイノリティーであることは間違いない。子供に良かれと思って、いろいろとやりすぎて潰してしまう可能性も否定できない。

 

・・・以上を考えてみたうえで、そもそも中学受験での合格に必要なスキルセットとは何なのか、ひたすら一人ブレストしました。分析した情報は、①自分自身の中学受験の経験、②自分自身の米国MBA受験(GMAT、TOEFL、Interview対策)、③いろいろな書籍やブログ(特にうまくいっていない事例)。

 

結論として、中学受験合格に必要なスキルセットは、以下ピラミッド構造になっているのではないか、と考えるに至りました。

 

こういうピラミッドを想像してください。

 

 

このピラミッドには層があり、上から順に、

 

①受験当日の「運」

②受験校対策の「過去問」テクニック

③「受験テクニック」

④「基礎力」(計算・漢字・社会や理科の暗記)

⑤「読解力」

⑥「語彙」

⑦問題の意味や背景を理解できる「生活上の実体験」

⑧受験勉強に耐えられるだけの子供の「体力」

⑨親子の「信頼関係」

 

となっているのではないでしょうか。これは、下の段を崩すと上が全部崩壊する、ピラミッド構造なんじゃないかと。

 

親が熱心すぎても子供の自我が高まる10歳(=小4)には、上記⑨を破壊する可能性がありますし、低学年サピックスでは④⑤⑥までしか対象にしないはずです。これが、「小学校1年生からのサピックス通い」に対して結果が出ない、という伝説(?)が生まれた背景かと。

 

僕としては、このあたりの事情を把握しつつ、低学年サピックスを、うまく利用したいと考えています。サピックスの主目的は、「海外転勤時にも自宅学習で対応できるだけのノウハウ獲得」ですし、公文では、④を徹底的に筋トレし、⑤は読書と読み聞かせ、⑥は読書と問題集、⑦⑧⑨は意識しながら時間を使う、つもりです。

 

中学受験のやり方は人それぞれなのでしょうが、僕は当面はこの仮説にて走るつもりです。そして、適宜反省して、仮説を修正。

 

 

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Posted by senki