小1/算数検定:一通り調べてみた結果
2017年2月7日(火)。
賛否両論ある、サピックス低学年算数。
僕としては、娘の成績が良い時も悪い時も、違和感が払拭できず。「作業系の訓練」をしたい意向は分かるのですが、僕としてはひねってある問題よりは、直球ストレートの問題で進めたいなあと思っていました。
そこで出会ったのが、「算数検定」。日本数学検定協会が運営するものです。
(1)都内有数の書店にてリサーチした結果
以下の通り。
①驚くほど書籍が少ない。中学生以後の「数学検定」(さんすう、ではなく数学)を入れても、棚にある書籍の幅は1mもない。算数検定だと、わずか50cm。
②書籍も、日本数学検定教会が丸善出版から出している、「要点整理」と「過去問」くらいしかない。あとは、あとは学研。創育。
③問題ですが、まさに僕が欲しかった「直球ストレート」。
④級は以下の通り。
11級:1年生
10級:2年生
09級:3年生
08級:4年生
07級:5年生
06級:6年生
娘が公文とサピックスで進めてきた算数のレベルからすると、9級(=3年生)から受検すると良いように思いました。しかし、勉強を開始するならば、「網羅性」、つまり「取りこぼしが無い」ようにすべきなので、11級からおさらいしたいと思います。
(2)直球ストレートの問題を見て気が付いたこと
サピックス算数が「作業系の訓練」の問題構成、つまり世に言うところのクイズ・思考系問題になっている理由が、なんとなく分かりました。
Factとして、サピックス低学年の問題構成は、①計算問題も少ないし(あの程度では練習にもならない)、②進度は教科書レベルなので遅いし、③網羅性も無い。しかし、「考えて作業する系」。これについては、小1からサピックスに通学しているお子さんの保護者の方は、異論はないと思われます。
僕の気づきですが、サピックス低学年算数は、「公文や他の教材にせよ、基礎的なことや網羅的なことはサピックス以外でちゃんとやっている家庭向けの教材」なのかなと思いました。これは算数ではなく、国語を見ても同じことを思うんですよね。あの程度の分量で漢字は覚えないだろうし、抜き出し練習も少なすぎる。
・・・正直、サピックス低学年(まだ小1しか知りませんが)の算数問題を解きまくっても、標準的な算数ができるようになる気が、僕は1mmもしません。MBA受験のGMATと似ていて、「解ける状態に達している」ことを確認するための問題であって、それを解きまくったからといって、「(初見問題で)解ける状態に到達する」ものではないのかと。
(3)結論とAction Item
サピックス算数の復習はきちんとします。しかし、今後、算数検定の受検を視野に入れることにしました。以下が受検するメリットだろうとの仮説。
①基礎中の基礎を体系的にカバーできる。
②定期的にテストを受けることで、理解度を確認できる。
③公文算数で中学分野(G、H、I)に進んだ場合でも、数学検定を使える。
(4)雑感
クイズ系・思考力系問題ですが、受験市場を拡大したいための、大手塾のマーケティング戦略の一環なんだろうな、と思います。
で、低学年でそれにのめりこむと、通塾せずに基礎を固めてきた小4であっさり抜かれる構図なんじゃないかと。
低学年の正しいスタンスは、「体系的・網羅的に基礎を固める勉強をしつつも、あまり上がった下がったを気にすることなくサピックスのカリキュラムに付き合う」、ことなのかもしれませんね。少なくとも凡人娘はそうに違いない。
★現時点の取組状況:
①サピックス:新小2最上位-1クラス【2017年1月組分けテストから】
②公文算数:F教材(=小6)【2016年12月16日に算数E終了テスト合格】
③公文国語:DI教材(=小4前半)【2017年1月31日に国語CII終了テスト合格】
④漢字検定:6級(=小5)【2017年2月5日に7級(=小4)受検し結果待ち】
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ディスカッション
コメント一覧
受験していないのに何。と言われそうですが、
HPから模擬問題を印刷して、娘にさせました。
9級なら大丈夫でしたが、やはりひとつ軽い
思考力系wwを彷彿させるものがあります。
よく読めば文章題なのですが。
こんなに平均点の高いテストできちんとした学力差が出るとは思えません。やったことがあるかないかだと思います。サピックス等のパズル系問題は、小学校受験の問題の延長なので就学前に相当鍛えたお子様達には有利だと思います。
仰るとおり、計算や漢字など基本的なことを先取りし、もちろんパズル系問題も網羅しているお子さんが立ち位置を確認する為にサピックスに通っているのだと思います。
いつも参考にさせていただいています。
思考力問題は、与えられた条件のもとで、低学年だと経験させづらい
「うんうん全力で考え、解けた時に『算数大好き!』と感じられる体験を積ませるため」
に必要なのかなと思います。
計算問題、最レベ系文章題はただのパターン学習で、中学年高学年からでも到達できますが、中学受験算数や大学受験で必要な数学とは、公式やパターンを武器に思考する過程と結果を見るものであり、御三家レベルの中学はその考えができる子供を求めています。
なぜなら、社会に出て求められるのは、思考できる人間だから。
前例やルーティーンにとらわれない自由な発想と試行錯誤して最善の結果を出せる人間だから。
公文も大事、思考力系問題も大事、両方やっておいて大丈夫だと思います。
今から頭で汗かく練習しておいて損はないと思います。高学年になると、脳のそういった柔軟性は伸びにくくなるデータもありますから。
サピックスの算数は、基本がしっかりできていて
あの作業系の問題を楽しめる子は
サピックスに合っているし、
必ず伸びるのでやるべきだと思います。
あの作業力は、低学年で取得できれば
高学年で絶対有利です。
息子は要領がいいので、あの問題を楽しめる
余裕がありますが、うちの娘は
絶対、入ってもついていけなくて
潰されてたと思います。
あの、教材は諸刃の剣ですね。
合えばいいけど、合わなきゃ地獄です。
と、何軒か転塾していろんな塾を見て
そう思いました。
こんにちは。
昨年末、宮本先生の講演を聞いてきたのですが、低学年ですべきことは一にも二にも「没頭力を鍛える」ことだそうです。その心は、4年生以降の算数を解く際に必要になる、一見歯が立たない問題に直面しても何とか解いてやろうと試行錯誤するマインドセットの醸成と、実際に手を動かして考えることの習慣付けの2点であると理解しました。
現在、リトルくらぶ(通信)を受講していますが、通塾生と同じカリキュラム&問題で構成されている算数は①思考系、②数概念、③空間認識力の3本柱で問題が構成されています。仰るように、これらと4年生以降の問題とが一直線上にある気はしません。裏返すと、低学年時の大手塾の存在意義は(学習内容だけに関して言えば)”その程度”なのかな、と。
低学年時の学習は私にとって未知の領域ですので、これからも学ばせて下さい。
>nnn-bbbさん
その軽さが大事かな、と思います。変にひねくれていないので。なので、直球ストレートだと思っております。
>きなこママさん
まあ、その平均点の高いテストで残念な結果、というのが問題なのではあります(笑)。
「立ち位置を確認する」というスタンスはしっくりきますね。なので、成績で一喜一憂するのは、無駄なことだと思えるようなりました。ある種の鈍感力。悪く言えば、開き直り(笑)。
>ダイエットラベラーB級(Bさん)さん
深い洞察ですね。そして、僕の仮説を裏付ける情報、ありがとうございます。作業系を楽しめるようにする、ということも大事なのでしょうね。
>ちゃこさん
「没頭力」とはまた、良いキーワードですね。刃が立たない問題に対して、これでもか、これでもか、と持てるツールを駆使して、なんとか解決してやろう、というマインドセットと忍耐力なんでしょうね。
思うに、「工夫する」ということかな、と思います。段ボールの工作でも同じことですが、いろいろ工夫をして、自分がつくりたいものをつくる、ことと似ていますね。だから、サピックス低学年算数も、その工夫することを楽しめ、ということなのかと思います。
中学受験のブログを拝見していても、「算数検定」はあまり話題に出てこないので、いろいろ開拓してみたいと思います。尚、今年の受験生で「数学検定」の話を見て、突き抜けるとそこまで行くことに驚きを覚えましたが。
>マイキーさん
頭で汗をかく問題の練習は損はないと思います。問題は、、、時間なんです。共働きの我が家の場合、朝しか時間が無く、あの慌ただしい中でじっくりと味わう時間を捻出するのが困難という事情があります。それがマネジメント上、辛いところです。
・・・ただ、社会に出て求められる「思考力」と、低学年サピックスで求められる「思考力」は全く異なると思います。前者は対人関係を前提としたものですが、後者は完全なるペーパーテストなので。
初めまして。同じく一年生の娘を持つ保護者(塾講師経験あり)です。
現在通塾はしていませんが、家庭学習の参考に時折ブログを拝見しています。
算数検定の話題が出てきましたので、ご参考まで体験談を。
娘は幼稚園から小一で、算数検定の11・10・9級に合格しています。
対策としては、過去問、要点整理と、必要に応じ各学年の基礎レベルのドリルを使う程度です。
流れとしては、
ひと月前に本人に情報提供
→やる気になれば申し込み
→一ヶ月間対策し、受検
→合格して学習意欲を高める、というパターンです。
ブログ主様のような戦略的、情熱的な筋トレへの取組は行っておりませんので、これでは参考になりませんね…
ただわが家の受検理由は、「体系的な基礎の把握」と「主体的な取組による自己肯定感の醸成」にあります。
(後者については、特に女子に必要だと思います。突然心身症を患い、潰れる中学受験生を沢山見ました。)
なお同様のパターンで漢検、英検も合格していますが、それぞれの検定には成績優秀者表彰制度があり、モチベーションの維持には効果的です(公文にもありますよね)。
因みに漢検の表彰式(各級最年少最高点合格者等)は、年一回桜咲く京都に招待されますよ。
因みに日々の取組は、専ら思考系問題のドリルが中心です。
間に合えば「kids bee」(算数オリンピックの1~3年生版)を受けられたらいいかなと。
わが家は中学受験をさせるか未定(本人の意欲次第)ですが、家庭学習は思考系問題を楽しんで、後々の大学入試の練習になればという程度。あとは読書や遊びから何でも学べればというのんびりスタンスです。
以上、ブログ主様とは対極すぎて役に立たないことと思いますが、(夫婦とも公立中高→難関国立大の)わが家では現時点でこれで必要十分、との認識です。
長文失礼しました。
>初めましてさん
アドバイスありがとうございます。「体系的な基礎の把握」こそ、小1では重要だと思います。これまで算数検定の存在を知らなかったので、公文で計算分野を進めてきましたが、小6まで終わるのが見えたので、小1の基礎から体系的に再構築しようと考えます。なんでもそうなんですが、「全体を網羅」が大事だと思っています。
「主体的な取組による自己肯定感の醸成」は大事ですね。娘は漢検7級(小4)を攻めているときになにかを感じたようであり、漢字が大好き且つ得意であると認識している様子です。小1の段階で自信が持てる分野が見つかったのはよかったなあと思います。
・・・対極ですかね(笑)。いや、似ていると思いますが。。
今後ともよろしくお願いします!