小2/四谷大塚:2017年6月/全国統一小学生テスト(学力は時間の差?)
2017年6月8日(木)。
四谷大塚の説明に関して、コメントを頂戴しました。僕のつまらない反省録にコメント頂き、感謝しております。勉強になりますので、記事にさせて頂きます。
=quote=
■四谷大塚の説明:
・「学力は時間の差」、である。小2の6月に偏差値70だった層は、80%の確率で、小6の6月に偏差値70。伸びている、というよりも、その相対的位置を維持しているのが実態。
(※尚、このマトリックスは衝撃的な統計データ。会場からは何の反応もなかったが・・・僕は、あっ、と声を出してしまった。10年前から統一テストを実施している四谷大塚だからこそ出せるデータだと思います。一瞬しか説明されなかったのですが、エッセンスは、①基本的に偏差値は変わらない(小2時点での相対的位置が、小6でも維持されているのが実態)、②上位層は不変、下位層は変動する(四谷大塚は解説していなかったが、僕がマトリックスを分析してとても興味深いとおもったのが、相関性。つまり、小2偏差値70以上の80%が小6でも偏差値70以上となっているが、小2偏差値50前後だと小6偏差値50前後にいる確率は50%、というように、偏差値が下がれば下がるほど相関係数が低くなる。下位層は上へも下へも行くけど、偏差値70以上の層はずっとそのままとなる確率が高い、ということ。)。
■コメント:
偏差値は相対評価
四谷の説明はちょっとおかしいですね。
低学年から勉強を始めたグループをAとし、高学年から勉強を始めたグループをBとして、それぞれ1万人の母集団がいるとします(簡単のため両方を1万と仮定。母集団を現実の数字に変えても下の結果は同じ)。偏差値70を簡単のため上位2%と置くと、グループAにおいて低学年で上位200名(偏差値70=1万×2%)はグループBが参戦した後の6年生で、上位400名(偏差値70=2万×2%)の中に160名しか入っていないですね。グループBの集団が偏差値70の残りのを占めるのであれば240名、むしろ低学年で勉強しないBの方が上位を多く占めて、いい成績を残せることになります。もちろんグループAの偏差値70未満の人が残りの240名のうちの大部分で占めるようになるのであれば「低学年から勉強」ということもできなくもないですが、少なくとも「低学年で偏差値70の80%が6年生で偏差値70を維持する」という結果だけでは低学年の勉強が効果があったか全く証明していないと思います。むしろ逆の疑問しか生まれません。
偏差値ではなく「低学年で上位100名の80%は6年生でも上位100名を占める」等であれば話は別ですが・・・
=unquote=
僕も、「低学年の勉強が効果があったか全く証明していない」と思います。しかし、「逆の疑問」はちょっとおかしいです。
しかし、上記前提である「簡単のため両方を1万と仮定」する点が、ちょっと違うと思います。なぜならば、実際には受験者数は学年が増すごとに増加する(筈)だからです。つまり、以下となります。
(1)前提
①正規分布すること。
②偏差値70は上位2%に該当すること。
③受験者数は学年を追うごとに増加すること。
④一度受験した人はその後も受験し続ける。
(2)仮の数字
毎年、受験者が10,000人増加すると仮定します。
小2:10,000人(→上位2%で200人)
小3:20,000人
小4:30,000人
小5: 40,000人
小6:50,000人(→上位2%で1,000人)
・・・つまり、小2時点の「200人」の「80%」である「160人」が、小6の「1,000人」に入っている、ということになります。問題は、「1,000-160=840人」がどこからきたのかです。この840人の出身は不明です。これが、小6で新たに受験に加わった「10,000人」からならば、「逆の疑問」は正しいことになります。なぜならば、「840人/10,000人」の確率で上位2%に入るのですから。しかし、「840人」が、小2時点で上位2%ではなかった層ならば、早く勉強開始していたら有利と言えるかもしれません。
尚、いずれにせよ四谷大塚の説明に無理があるのは、小2時点で偏差値70に位置している層が、
①小2の6月までの教育の結果(=勉強している)なのか?
②小2の6月時点での地頭(=勉強していない)なのか?
③小2の6月以後に勉強したのかどうか?
を峻別していないからです。結論として、
「小2の6月に偏差値70だった層は、80%の確率で、小6の6月に偏差値70。伸びている、というよりも、その相対的位置を維持しているのが実態。」
なのかもしれませんが、
「学力は時間の差(であるから、早めに入塾して勉強を開始した方が有利)。」
という結論は、営業トークとしては魅力的ですが、少々強引かなと思います。今思えば、「学力は時間の差」とは言っていましたが、「早めに入塾したほうが良い」とは言っていないんですよねえ。「学力は時間の差」という抽象的な言葉での説明。ひょっとすると、確信犯的に勘違いさせるキャッチコピーかもしれませんね。だとしたら、なかなかである。
データを持っている四谷大塚なのですから、シンプルに「小6の6月時点での偏差値70以上の層で、四谷大塚などの進学塾の入塾時期に有意な差があるか」を示せば良いのだと思います。
上記の例でいうならば、
「小6:50,000人(→上位2%で1,000人。内、小1~2入塾が70%、小3入塾が20%、小4入塾が10%、小5以後がほぼ0%)」
ならば、納得できますね。しかし、このシンプルな説明をしないということは・・・。
★現時点の立ち位置:
①サピックス:1番目クラス【2017年5月確認テストから】
②公文数学:G教材(=中1)【2017年2月17日に算数F合格】
③公文国語:EI教材(=小5前半)【2017年6月2日に国語DII合格】
④漢字検定:6級(=小5)【2017年2月5日受検で7級(=小4)合格】
⑤算数検定:8級(=小4)【2017年4月16日受検で8級(=小4)不合格】
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ディスカッション
コメント一覧
いつもブログ楽しみにしています(*´▽`*)
今日の記事、非常に興味深く拝読させていただきました。
日本で恐らくは最も適切な統計が取れている全国統一小学生テストの結果として、
「小2の6月に偏差値70だった層は、80%の確率で、小6の6月に偏差値70」
そして、
「小2偏差値50前後だと小6偏差値50前後にいる確率は50%」
というデータ、個人的には、あーやっぱりなー。と思ってしましました。
それになんだか、中学受験の勉強にもよくある、ベン図の問題みたいで面白いですね。
小2の時点で偏差値70以上(上位2%)に入っている子供は多かれ少なかれある程度勉強しているんじゃないかと思います。
もちろん、たまに天才とかいるでしょうけど。
私はあまり難しいことは分からないので間違った評価かもしれませんが、
重要なのは、「小2偏差値70だった層が偏差値70以下になる可能性は20%」(小2と小6の両方でテスト受けている子が母数なので実際にはもっと確率上がる気もしますが)
なのに対して、「小2偏差値50前後で小6偏差値が70以上になる可能性は最大でも50%」(当然偏差値が下がる場合もあるわけですし、間の60台の場合も多いでしょうから、実際にはもっともっともっと低い気がします。)
という点かなと思います。
日本語で表現するなら、小2のとき偏差値70あっても5人に1人は落ちぶれるけど、小2のとき偏差値50だと、偏差値70にのし上れる確率は、やっぱりそんなに高くない。
って理解しました(笑)
>ぱぱのすけさん
コメントありがとうございます。統計は「結果」を示すものですが、「因果関係」を示すものではありません。どう解釈するかは、数字を読み解く側の判断。そして親にとっての子どもは「1/1」の存在であり、母集団などを想定しなくてよい唯一無比のいきものだと思います。
ぶっちゃけ、周りは関係ないと思っています。参考にはなるけれども。
娘は新小3からの入塾でした。
統計でもなんでもない、周囲を見ての感覚的なものですが、最後に桜蔭に入るレベル(60~65)の人だと、新小5の時点の立ち位置が最後の立ち位置と同じ感じでしたね。
小4の始めは小3までにどんな訓練をしていたかで立ち位置が決まってましたが、小4からの勉強をどれだけ身に付けられるか=どの立ち位置になるかは、小3までの訓練とそんなに相関ない感じでした。なので、小4初めで偏差値50位から上は、小4以降での学び力に応じて立ち位置が決まる印象です。
今は中学受験勉強は3年カリキュラムになっているので、新4年から入る人が多いと思いますが、大昔の自分と娘を見る限り、しっかり取り組めるのであれば、3年は冗長で2年で良かったな、とか思ってます。娘は勉強する姿勢がないタイプだったので、中学受験するマインドを身に付けるのに一年くらいかかったので、2年じゃ間に合わなかったかもしれませんが。
桜蔭は中1の中間からしっかりテストがあり、しかも平均点相当高いです。真面目さは後々役に立つと思いますが、あまり思い詰めすぎぬよう。。。
>oinsenkiさん
唯我独尊的な思考かっこいいっす!突っ走ってください\(^o^)/
どうでもいいですが、虫さされ役のムヒの語源は唯一無比・天下無比らしいですよ。初めて知って、ウナってしまいました。
因みにウナは至急という意味があるそうです。
YO!チェケラ!
>桜蔭母さん
コメントありがとうございます。僕も基本的には小~3の実績と、小5の立ち位置は、相関はありこそすれ、絶対ではないと考えています。
いまのところ、娘はゲーム感覚で勉強し、またテストも徒競走と同じ感覚で競争しているような印象です。親が声をかけずとも、0600には起床して机に向かうことが習慣になっているので、このペースでいきたいなあと思います。夕食後に勉強することになる時点が、大きな転換点になると思います。
電車の中で「美しいピンク色のバッジ」をつけた生徒さんを見かけますが、楽しそうに中間テストの話してますよね(笑)。
小2の6月に偏差値70だった層は、80%の確率で、小6の6月に偏差値70。伸びている、というよりも、その相対的位置を維持しているのが実態。
これについて、四谷さんの別の説明会で、
お話を伺う機会がありました。
早くから勉強を始めれば、結果が伴うという意味のお話ではなく、データとして、低学年の模試で、偏差値70以上の層には変動がない。という説明だっと思います。
単純に問題を解くのが得意な子供は性質として、成長しても問題を解くのが得意。ということだと思います。
その層は横に置いておいて、普通の子供は偏差値68まではあげられる。素質のある子供は70以上にもあげることができる。だから、入塾してねというお話でした。
>さくらさん
情報ありがとうございます。データの解析は「因果関係」を証明するものではないので、いろいろな見方があると考えています。
しかし、低学年からやったほうが確実だと思います。やり方を間違わなければ。