小2/算数:世の中にある低学年算数問題集体系(続き)
(注:このエントリーは予約記事です。次回更新は8月20日(日)を予定しています。)
世の中にある低学年算数問題集について、以下仮説を持つに至りました。
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■仮説:
【応用】
(6)キッズBEE=思考力系に特化(難易度高)
(5)きらめき算数脳=思考力系に特化(難易度中)。
(4)低学年サピックス=思考力系に特化(難易度低)。
(3)トップクラス問題集=直球算数(難易度高)。
(2)算数検定=直球算数(難易度低)
(1)公文=計算に特化。
【基礎】
====
本来は、先に体系的に理解をしてから、教材を選択し、そして学習段取りを決めるべきだと思います。
しかし、中学受験の低学年学習について、専門家の意見は、「低学年勉強は意味がある vs. 意味が無い」の根幹レベルですら未だに決着がついていないのが現状です。こんな状態ですから、「低学年算数教材の体系的整理」について、きちんと論評した資料は少ないと思われます。少なくとも僕は見たことがありません。そして専門家は自分の商売のタネですから、自分の教材が良いと主張します。公文はバッシングされることも多い。
よって、自分で考えるしかないのですが、これまで娘の学習をマネジメントした経験からは、一つの教材を選んでそれで網羅性を担保しているとは到底思えません。MECE感を感じません。
特に、「パズル系」という要素。なんでパズルなんだ?
・・・この「パズル系」というキーワードを頭に入れたうえで、上記(1)~(6)の全部の教材を手に取り、俯瞰してみて、ようやく気が付きました。
ひょっとして、こういうことか?
====
■算数の本質:
論理的展開の帰結。つまり、「こうこうこうで、こうだから、こうなる」。
■低学年算数教材の体系:
縦軸を「論理性の見え易さ」、横軸を「学年」で体系化可能。
縦軸は、下から上に積み上げる体系となっている。つまり、「計算という明示的な論理問題から始まり、キッズBEEという論理が見え辛く複雑な問題が頂点」。
【応用=論理性が見え辛い】
↑
⑦キッズBEE=思考力系
⑥きらめき算数脳=思考力系
⑤低学年サピックス=思考力系
④トップクラス問題集=直球算数
③きらめき思考力パズル=思考力系
②算数検定=直球算数
①公文=計算に特化=見て明らかな論理
↓
【基礎=論理性が見え易い】
====
・・・数学や算数の定義が気になったので調べてみましたが、各種定義で「中学受験を前提とした小1~3の算数教材」をみると、うまく当てはまらないようです。
しかし、算数を「論理的展開の帰結」と定義し、そして、教材のレベルを「論理性の見え易さ」で示すと、しっくりきます。公文とは見て明らかな論理問題を処理する練習であり、キッズBEEとは「論理性が見え辛い」問題の論理性を見つける練習のこと。
しっくりきます。
この観点で考えると、僕の2016年12月の認識は不正確だったし(パズル系は意味が無いとは断言できない)、専門家の主張も正確とは言い難いと考えます。計算という最も簡単な論理問題を解く練習を軽視する主張も、どこかおかしい。計算ができない状態で、より見え辛い論理力を見つける能力が育つようには思えません。
★現時点の立ち位置:
①サピックス:1番目クラス【2017年5月確認テストから継続中】
②公文数学:G教材(=中1)【2017年2月17日に算数F合格】
③公文国語:EII教材(=小5後半)【2017年7月25日に国語EI合格】
④漢字検定:5級(=小6)【2017年6月18日受検で6級(=小5)合格】
⑤算数検定:8級(=小4)【2017年7月23日受検で8級(=小4)合格】
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ディスカッション
コメント一覧
前回に引き続き大変興味深く読ませて頂いております。
うちはまだ幼稚園生ですが、この記事将来的に大変お世話になると思います。
いつもありがとうございます。
算数教育は体系化されていると思います。
教科書は良くできているので、算数ができるための先取り学習なら、教科書ワークを小1~小6まで進めるのが、一番の近道だと思います。
しかし、中学受験のための算数と考えると、話は違ってきます。
ここからは、私見ですが、中学受験のための算数は、現在の数学の教育体系から外れているように感じます。
実際、小学校の教科書が理解できてる人でも、中学受験の特殊算を解けない人が多いです。
方程式を使わない特殊算は、日本で独自に発展した和算がベースとなっているからです。
つまり、江戸時代の和算の教育体系が、中学受験の教育体系に似てるのではないかと思います。
(答えをつけない問題を巻末に載せて、ひたすら考える力を付ける)
「ひたすら考える力」とは「集中力」の事です。
「集中力」とは、「集中する力」ではなく、「心の状態」の事です
そう考えると、「中学受験用の低学年学習の必要性」は、子供次第だと思います。
低学年時は、成長の個人差が大きいので、じっとして問題に集中出来る子もいれば、じっと出来ない子もいます。
だから、集中できる状態まで成長を待たなくては無駄という人と、集中できる状態の教育が必要という人の2種類いて、結論がでないんじゃないかと思います。
私個人の考えは、(6)キッズBEE、(5)きらめき算数脳、(4)低学年サピックスは、学校の勉強ではものたりず、なおかつ上の学年を先取り学習をしないという選択をした場合のみ、有効な気がします。
>arisutoroさん
お子さんの筋トレの参考になれば幸いです。^_^
>papa-pandaさん
集中力があるかどうかは、勉強以前の問題だと思います。なければ何をやっても厳しいでしょうね。集中力を発揮する対象が勉強ならばベストですけど、遊びや運動、読書でも良い(中毒性のあるゲームは除く)。しかし、何をやっても没頭できないようでは、厳しい展開となるでしょうね。
きらめきシリーズの小さいサイズの本は、
思考力でないです。もう訓練の世界。
慣れると娘は、ほとんど条件反射しています。
現在のサピックス教材は、よく読めば解けるものばかりで、まさに思考力の世界。
私は本当に難しく感じるのですが、夫は
大変易しく感じるそうです。
腰を据えてよく読む、それが思考力なのかなあと、時々考えます。
今回も興味深く拝読しました。
ちなみに、四谷大塚リトルスクールは、直球算数の難易度低といったところです。思考系は、夏期講習にちょっと入ってきた程度です。
でも、それでは上位層は満足しないでしょうから、思考力系に特化したマンスリー開講なのかな?と思っています。マンスリーが成績上位者を対象にしているのは、四谷大塚が、思考力系に取り組むには、ある程度の直球算数力が必要と考えているからなのかな?と感じています。
>翡翠さん
ある程度、論理性に関する基礎が無いと、試行錯誤して論理展開する問題へは対応出来ないと思います。例えるならば、各種試験の最後の問題です。
四谷大塚のマンスリーは娘が行ってみたいとのことですし、また僕としても塾比較の良い材料になりますので、参加するつもりです。
>nnn-bbbさん
その、大人の感覚では良く読めば分かる、というのが落とし穴だと思います。大人は条件を文章から読み取れますが、子供はできるとは限りません。だから訓練が必要だと考えます。
その論理性を身に着けるのって訓練ではなく年齢によるものもありますよね。俗にいう9歳の壁を超えると抽象思考出来るようになるというのもそれ。抽象化⇔具象化できれば思考力系もサラサラ出来るかと。
だから、低学年のうちに無駄な時間をかけて訓練するより計算と漢字を特化させるというのが王道なのもよく分かる。
ただ抽象思考出来ちゃう低学年もいてそれは成長差であり、低学年のうちはやってる子とやってない子の差が激しいからある程度訓練すれば良い結果が出ますよね。
やはりこの先その成長差が(ある程度)なくなり、皆が本気出した時が本当のスタートラインな気がします。
>きなこママさん
9歳の壁ですが、まだ僕も娘も経験していないので分かりません。どうなんでしょうね。。
しかし一つ言えることは、6-8歳である程度の抽象的思考ができる子供は存在します。そして年齢が上がるごとにこの能力が同じ年齢層対比で維持または上がることはあっても、落ちる可能性は低いような気がします。
公文の未来フォーラムで小2数学の高進度のお子さんの学習を目視で観察して、そう思いました。実際に数学という高度に抽象的な勉強をしている、他の家のお子さんみてみると、そう思いますよ。
いつも羨望のまなざしでブログを拝見させていただいております。また有益な情報ありがとうごさいます。
同じ2年生男子ですが、SAPIXに通って6ヶ月、やっとSAPIXは低学年用のノウハウはなく、結局親が考えて道筋を考えていかない事がわかりました。oinsenkiさんの今回のブログでの仮説はほぼ正解のような気がします。
実は出来が悪すぎるのでサピを休止するかプリバードでピグマをするか迷っており、サピの先生にはもちろん止められましたが、漢字・計算だけはサボるなと言われました。
これは、最低ラインで戦う、最低ラインのすべき事と受け止め精進できたらなと思います。
oinsenkiさんの言う通りです。
>えちょっぺさん
低学年サピックスの本質は、基礎とされる部分を自宅学習できっちり確保しているお子さん向けの内容ですね。だから、基礎をサピックスでおさえることはカリキュラムからして出来ないと思います。
なお、他の進学塾もにたりよったりだと思います。よって、親の関与、、というよりマネジメントが必要になると考えます。
子供の状態は保護者が一番詳しいので、最良と思われる方法を試すしかないように思います。我が家も凸凹道を歩んでおります。。
問題集、沢山ありますよね。
労力と時間、学習効果や子供のタイプから最適なものを選びたいと常々思っています。
我が家ではスーパーエリート問題集+付録の絵かき算が割と好評です。
計算力と思考力の要求がバランスよく、他の問題集より面白いようです。子供もどんどん進みたいタイプなので合っているようです。
かといって、これだけではダメなので他のものも組み合わせています。
日々きちんと学習を進めていらっしゃる様子を見て、我が家は反省しきりです。。。
これからも更新を楽しみしています^^
>天津はっちゃんさん
絵描き系ですが、どんぐり倶楽部系ですよね?イメージするような教材はいいなあと思います。
娘は毎日コツコツが好きなようですので、そうなっているだけ、、という説もあります。