僕の読書メモ:『子どもの語彙力を伸ばすのは、親の務めです。 』(齋藤孝)
本屋で平積みされていました。本屋で5分間程度でざっと立ち読みしただけなので、批評するのは失礼かもしれませんが。
(1)著書名
『子どもの語彙力を伸ばすのは、親の務めです。 』(齋藤孝)
(2)内容
語彙力を伸ばす方法を、各論ベースで多数列挙する内容。流し読みで記憶に残る限り、以下の通り(思い出した順)。
①日刊の子供新聞を活用しよう。
②電子辞書を使おう。
③歴史は漫画で学ぼう。田原総一朗も孫にそうさせている。
④漢字を勉強しよう。
⑤名著の音読をしよう。子供でも『罪と罰』や『マクベス』の雰囲気は理解できる。
⑥NGワードを使うな。「やばい」等。これらの簡単な言葉を使うことは、状況を豊富な語彙で説明する習慣の阻害要因になる。
⑦テレビも重要。出てきた言葉を電子辞書で調べよう。
⑧慣用句はゲームにして遊ぶ。
⑨読書したら短くとも良いので感想を書こう。
そもそもなぜ語彙力が大事なのかというと、
1) 語彙力の豊富さは学力に直結する。
2) 年収にも直結する。日本社会は大卒時にどの組織で雇用されるかで生涯賃金の大半が決定する仕組み。面接時の語彙力が、評価に直結する。
3) アスリートや芸能系でも自分の言葉で発信することが求められる時代。将棋の世界でも「僥倖」「望外の喜び」。語彙力の必要性は職種を問わない。
という主張。
尚、メディアや教材については全て実名で紹介されているので、内容は具体的です。
(3)所感
僕の視点ではありますが、実務の観点からは無価値な本だと思いました。
紹介されている個々の各論は正論なので、「そのやり方はないだろう」という意味での違和感はありません。しかし、この本には以下視点が欠けています。
①低学年小学生をマネジメントするという視点。この本を手に取る親の多数が、子供の語彙力(や国語力)に課題があり、対策を考えていると推測。これだけ「各論としての正論」を並べられたら、かえって混乱すると思います。
「つまり、何を、どういう順序ですればいいのだろう?」
この視点が無い。紹介されていることを全部実践できるような子供は、そもそも語彙力不足になっていない気がします。時間は限られているので、何を捨て、何をするのか。その視点がないのが残念。
②本質を示していない。著者は「英語が分かるようになるには英単語を覚えることだ」と正しく認識しており、日本語も同じであるとの論調。これ自体は正しい。しかし、「漢字が読めなければそもそも難しい語彙も分からないよね」という当たり前の部分が説明されていない。この分野で飯を食っている専門家にとっては当然すぎることなので書くまでもないことかもしれませんが、漢字が読めなければ語彙力強化は不可能に近い、と思うんですけどね。
③多数存在する語彙力強化のテキストについて触れていない(※僕の見落としかもしれませんが)。英単語を覚えるときに単語帳を使うのだから、日本語だって同じだと思うのですが。
・・・この本が正しく活用されるのは、「マネジメントの視点を持った親が、語彙力強化のためのいろいろなアイデアを得るために読む」場合に限られると思います。
尚、表紙が「母親と息子の会話」のイラストなところが、父親の影が薄いなあと思いました。「専業主婦世帯の母親向け(=子供との会話が母親に偏る)」なのかもしれませんが、夫婦間の会話を子供が聞くこともあるのだから、もうちょっと視野を広くした方が良いと思いますが。
(4)僕のアクション
これまで通り、「漢字を漢字検定で押さえる→本・新聞・雑誌などを多数読む」の方針を継続すします。尚、そろそろ、紙の辞書はプレゼントしようかなあ、と思います。
★現時点の立ち位置:
①サピックス:1番目クラス【2017年5月確認テストから継続中】
②公文数学:G教材(=中1)【2017年2月17日に算数F合格】
③公文国語:EII教材(=小5後半)【2017年7月25日に国語EI合格】
④漢字検定:5級(=小6)【2017年6月18日受検で6級(=小5)合格】
⑤算数検定:8級(=小4)【2017年7月23日受検で8級(=小4)合格】
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