僕の学習:毎日新聞社の公開講座2017「女子学院 x 渋谷教育学園渋谷・幕張」(備忘録)
2017年9月3日(日)。
聴講してきました。学校の説明会に参加するのは初めて。毎日新聞と毎日小学生新聞では、9月22日付紙面で特集組むそうですが、自分用に反省録にメモ。
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1. 日時:
2017年9月3日(日)14:00~16:30
2. 場所:
日本大学経済学部@水道橋
3. スピーカー:
①渋渋・渋幕(以下渋幕)/田村哲夫校長
②女子学院(以下JG)/鵜崎創院長
4. 結論:
①両校とも個性強し。流石。学校説明会よりも、対談形式の方が違いが分かって面白いかも。
②僕は教育も「ビジネス」の視点で見てしまうのですが、渋幕/田村校長はベンチャー的にスタートした中高一貫校を日本有数の進学校に育て上げた起業家という印象。しかし、カリスマ性が強い分、後任が育っているのか心配ではある。他方、女子学院/鵜崎創院長は、財閥系中核企業のCEOという印象。組織として強そう。
5. 詳細:
会場は満員。目視で200~250名が参加。80%は女性、20%が男性。小学生はちらほら。
(1)毎日新聞社の説明
・公開座談会は2010年に開始。今年は4回を想定している。次は、灘 x 雙葉。
・2020年の改革は、まだ未知数が大きい。大学は通過点であるという認識。現在小5の子どもは、2076年に定年を迎える。そういう時間軸での、両校の教育観をお伺いするもの。
(2)JG/鵜崎創院長
・プライベートでは、男の子2人を育て上げた。妻が幼児教育に関わっていた関係もあり、いろいろと大変だった。子供は思うようには、言うことを聞いてくれない存在。
・子供に言ってはいけない言葉。①早くしなさい、②何してるの、③今はそんなこと考えないで。この③の影響は大きい。大人が優先順位を教えることになる。しかし、現代という社会は、数ある選択肢から取捨選択していかねばならない時代。子供の好奇心のレベルは、目の前るにあるものに向くのが普通。一つ一つの好奇心を活かすことが大事。
・旅の方法。目標に向かって一直線に進む。または、遠回りの旅。
・捨てるもの(あきらめるもの) vs. 拾うもの(獲得するもの)。取捨選択をすることが大事。
・ジョブスの2005年のSanfordでのスピーチ。Connecting the dots。カリグラフィーの授業が、マックにつながる。
・JGの教育の一つが、リベラルアーツ。興味を広くもち、掘り下げていくもの。幅広い分野を学ぶ。捨てることをしない。
・北カリフォルニアにあるRedwood National Park。100mを超えるセコイアの樹。実は土壌は薄い。地下で根っこ同士が絡み合い、支えている。JGが考えるリベラルアーツは、これに近い。
・ワイヤーロープ。実は、断面を見て見ると、7 x 7になっている。細いロープのより集め。強さとしなやかさ。お互いにすべりが出てくるので、柔軟性が出てくる。
・JGの特徴の一つが、キリスト教教育。多様性と個々の尊重。自己、神、他者。他者は神の前では、同じ存在。尊重する必要ある。
・①個々が備えている能力の発見。②磨き育てる。③何のために用いるか。
・自ら考え発信することのできる人。教育は社会の要請。しかし、社会の養成に無条件に従うことを危うい、と感じられる人間。勇気。
・多様な社会の中での主体性。自分が進む場所を見つけらえる人。自分を見失わない人。
・ミセスツルー。「自分の努めを怠った時に、苦痛を感じる女性になりなさい」。
(3)渋幕/田村哲夫校長
・北朝鮮の核実験が行われた中、御参集頂きありがとうございます。
・渋幕は1983年、渋渋は1996年に開校。私が創業者。2校の校長である。渋渋は都市型の学校でグラウンドが無いが、実は欧米の都市型の学校は同じくグラウンドが無い。だから、こういうのもありかな、と思った。そもそも学校にグラウンドがあるのは、明治時代の富国強兵政策のもと、兵隊養成の観点からのもの。今は時代が異なる。
・「自調自考」。人間は不自然な生物である。脳が異常に発達している。体重の3~4%程度の脳が、エネルギーの2割を消費している。1,000億の細胞がネットで接続。このネットワークを完成させるのに時間を要するのが、ヒトの特徴。12~18歳は大事な発達の時期。
・考える、ということは、ソクラテスの時代から特徴がある。それは、「自分のことになると考える」というもの。中2くらいから自己が確立しだし、自分を持つようになる。このあたりから、親子の関係は厳しくなる。
・「自調自考」は明治時代には既にあった言葉。教育の目的とは何か?それは、人格の育成である。キャラクターエデュケーション。基本的人権という一つのセットを、沢山の権利を一つ一つ外していって、残るものは何か?それは、自律権である。自分の人生は自分で決める。これを考えて、「自調自考」とした。
・国際人としての資質を養う。日本語では国際、という言葉をよく使うが、欧米にはあまり無い概念。国際的なのがあたりまえだから。日本の国際協力基金も、英語にすると、Japan Fundである。極東の島国だから、国際という概念があるだけ。
・シラバスを作った。これは学校としての説明責任、アカウンタビリティである。日本は官僚組織も含めて賄賂が通用するような腐敗が無い。しかし、決定的に無いのが、アカウンタビリティ。欧米ではこの説明責任を果たさないと、相手にされない。まずは学校からということで、シラバスを作った。
・「校長講話」を続けている。中1で、『知的生産の技術』。中1のテーマは、人間と思想。中2は、自己の目覚め。中3は、新たな出発、想像力。高1は、自己の社会化。高2は、自由とは。高3は、個性。
・中学高校時代は、貴重な時間。先日、教え子が京大の数学科から、ドイツの大学へ留学。話す機会があったのだが、「高校時代に書いた自調自考論文で、ブラックホールを選んだ。この高校時代のテーマで、私の一生は終わりそうだ」。学校とはそういうところである。高校時代に、生涯のテーマがみつかるような場所でありたい。
・学校の文化は生徒がつくる。渋幕と渋渋は少し違う。
・東大、ソウル大、渋幕でやった日韓交流イベント。また、Shibumaku Career Education。卒業生を呼ぶ。マイクロソフト日本法人社長など。この教え子、文化祭のときにダンスパーティーを企画して、金がないと援助を要請してきた。どうやら私が現金を拠出したらしいのだが・・・。
・模擬国連での優秀賞。灘、筑駒、渋幕。
(3)パネルディスカッション
重要部分のみ記す。
(コーディネーター)
・多様性とは?
(田村校長)
・交換留学で、フロリダに派遣。アメリカ人は広島、長崎の原爆投下の正確な日付をしらない。しかし、パールハーバーの日付はしっている。ショックだったのは、渋幕生は、この逆。人間、やられたことはよく覚えているが、やったことは覚えていない。これが、留学生の発見。これこそが、国際交流である。
・今後、日本は人口が減少する。よって、市場を求めて、海外に出ないといけない時代がくるだろう。国際化しないと生き残れない。
(鵜崎院長)
・JGは2020年に150周年を迎える。宣教師がつくった。一人一人の個性、生育環境は異なる。見た目は同じでも千差万別。多様性のあることが当然である。
(コーディネーター)
・未知とは?
(鵜崎院長)
・インターネットの発達で、コミュニケーションのありかたが変わってきた。人間の側が間に合っていない。それをどう使いこなすのか、が課題。精神が追い付く必要ある。
(田村校長)
・デジタルネイティブの時代。教育の現場、とくに教務ではデジタル化。成績管理など。しかし、一番気になるのはゲームの存在。今や、ゲームは医療のテーマになりつつある中毒性のある問題。スマホをつかって子供をあやす時代。子どもの時間を奪っている。ゲームは一切ダメ、というのは無理だろう。共存するしかない。子どもを、使いこなせる人間にするしかない。
(コーディネーター)
・新しい大学共通テスト。両校とも、入試を変えていくのか?思考力、判断力、表現力。
(鵜崎院長)
・JGの入試も長い歴史で変わってきた。しかし、軸は変わらない。表層は変わるだろうが。今後も、バランスよく見ていくことになる。
(田村校長)
・大学入試改革の根っこは、「選抜」から「選択」へのシフトと考えると分かりやすい。何を選択するか、の問題。我々は、開校いらい、それをやってきた。
・英語にしても四技能が求められるようになるが、はじめからそうしている。我々からみると、ようやく世の中が追い付いてきた、という印象。傲慢に感じたら申し訳ないが。
(鵜崎院長)
・議論をして、意見をぶつける。JGにはそういう機会が豊富にあり、ひたすらにやる。尚、JGのテストは問題数が多いとされるが、これには理由がある。テストの全体を俯瞰し、「瞬時の判断、柔軟性」を発揮できる子供が欲しい。(※この発想、僕は好き)
(コーディネーター)
・試験問題、、大事ですよね。会場のみなさんも関心が高いかと(笑)。
(田村校長)
・過去問の訓練は有益であろう。
・To beとTo do。前者は経過。後者は結果。人生において重要なのは、経過。テストで計測したいのは、好奇心の強さ。好奇心が強い生徒が集まると、教える方は大変ではあるが。
(コーディネーター)
・好奇心の強い子をどう測るのか?
(田村校長)
・理科の試験。真水と濃い食塩水の見分け方。光っている子は、「切ったリンゴをひたしてみる」、「石鹸を溶かしてみる」(泡立たない温泉があったのだろう)、「目に入れてみる」、「海水魚を入れてみる」。
(鵜崎院長)
・JGに入ってダイジョブかな、ついていけるかな、という質問がたまにある。「うちの子は缶蹴りするタイプではないのですが・・・」、など。大丈夫です。試験に突破できる子を、うけとめる環境がある。うちでは否定されない。しかし、あまりにとんがっていると、高3の卒業時には、外ではそれを言うなよ、ということもある(笑)。
・苦労するタイプの子は、「自分を学校に預けてしまう子」。先生に頼り過ぎは良くない。言われたことをたんたんとやるタイプの子は、苦労すると思う。しかし、入学すれば生徒は学校に作られますよ。
(田村校長)
・引っ込み思案の子でも、心配する必要は無い。
(鵜崎院長)
・小学校時代に、お山の大将だった子が入ってくる。隣の同級生をみて、心は折れるかも。小テストもたくさんある。クラスの中で、生徒は居場所を探す。JGでは、テスト結果に順位付けをしない。
・生徒は、おしゃれな子もいれば、セーラ服もいる。いろいろな個性があるが、共通しているのが、メリハリ、切り替えの早さ。目の色がすぐに変わる。
(コーディネーター)
・共学と女子高の違いは?
(鵜崎院長)
・共学は実際の社会に近い。女子高は特別な雰囲気。女子は、男子が居ると、忖度してしまうことがある(=異性の目がきになる、という趣旨)。中高の6年間、女子高のプラスの面も多い。
(田村校長)
・1945年までは日本では女性は大学に進学するオプションがほぼ無かった。そのために、女子高ができた。そう言う時代でもないので、うちは共学を選択した。
・うちもテスト結果に順位をつけていない。
・大事なのは、共学でも女子高でも、今の子どもには選択肢があるということ。
★現時点の立ち位置:
①サピックス:上位8%【2017年7月組分けテスト】
②公文数学:G教材(=中1)【2017年3月24日から】
③公文国語:EII教材(=小5後半)【2017年7月25日から】
④漢字検定:5級(=小6)【2017年6月18日に6級合格】
⑤トップクラス算数徹底理解編:小2【2017年8月4日から】
⑥きらめき算数脳:小2【2017年6月29日から】
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