新小3:いわゆる「先取り学習」についての考察

2018年02月(新小3)

2018年2月21日(水)。

 

いわゆる「先取り学習」について、現時点での考えを整理しておきたいと考えます。

 

娘は、2016年4月のほやほや小1時点でサピックス偏差値42で最下位Aクラス発進、且つ公文進度も学年相応でした。最底辺にいたことは間違いありません。

 

それから2年後。

 

数字だけ見ると、「低学年ブースト先取り中毒者」(通称"テブチュウ")のようになっています。つまり、①大手塾公開テストではそこそこ(概ねどの塾のどの校舎でも1~2番目クラス+お楽しみ付き)、②公文はオブジェは通り越して未来フォーラムレベル(数学H(=中2)と国語GI(=中1前半))、③漢字は漢字検定5級(=小6)まで取り敢えず合格して、漢字の要で絶賛復習中、④計算は実際の入試問題を解けるレベル(但し灘が出題するようなタイプは無理)、になっています。

 

そんな状況ですが、新小3の2月で思うことは以下の通りです。

 

(1)先取りをしている感覚はあるのか?

全く無いっす。自覚ないっす。「ああ、僕は娘に先取りをやらせているな」なんて言う感覚、持ったこと無いっす。

 

なぜ無いか?

 

毎日筋トレしているだけ、だからでしょうか。つまり、娘が耐えられるギリギリのレベルと量を、毎日淡々と積み重ねた「結果」として、先取り状態になっている。先取りを「目指した」というよりは、毎日の積み重ねの「結果」。

 

娘が「ウキウキして筋トレ」とか「ワクワクして筋トレ」しているのかは、知りません。ただ、勉強するのは僕ではなく娘なので、「強制させる」ことは絶対に無理です。そもそも、娘が起床して修行僧のように机に向かう06:00には僕はまだ夢の中ですし。勉強するという習慣が、毎日お風呂に入るとか、毎日歯を磨くという「生活習慣」と同じレベルでの習慣になっているから、当たり前なんですよね。そして、「出来るようになるのが楽しい」から継続しているのだと思います。

 

(2)なんでそうなったのか?

小1から毎朝2時間勉強するとか、土日だとそれが4時間になるとか、狂気の沙汰ではないかと御叱りを受けることがあります。虐待ではないかと。

 

しかし、よく考えてみてください。そもそも強制させるのができないのに、なぜに長時間の学習が可能なのか。答えはシンプルです。椅子、机、ライトがベストフィットなので、疲れないからです。環境面はとにかく大事です。ダイニングテーブルで勉強したり、足がぶらぶら状態の机だと、1時間もやれば疲れてしまうのではないでしょうか。

 

そして、それだけの長時間、高い集中力で勉強ができれば、自然と先に進むことになります。だから、あくまでも「結果」なのだと思います。

 

(3)子供は9~10歳にならないと抽象的思考ができないのか?

先取りの壁、というか弊害として、子供は9~10歳にならないと抽象的思考ができない、という説があります。

 

本当にそうかなあ。。そもそも「抽象的思考」って何なのでしょう?中学受験の入試レベルを見ていても、算数も含めて実に具体的な問題が多く、抽象的思考の必要性をあまり感じません(除く一部の難関校)。少なくともトップクラス問題集レベル(小1~4)では、抽象的な問題なんて見た記憶ない。国語は抽象的な概念を扱う文章がわるので、まだ分かりますが。

 

その年齢に達しないと抽象的思考ができないと考えるのは、親の思い込みであり、子供の可能性に対して勿体無いなあ、と思います。過去2年間、娘をマネジメントしていて理解したのは、抽象的思考ができるかどうかは語彙力に大きく依存するのであろう、ということでした。日本語の場合、語彙力は熟語という形態をとることが多く、よって漢字知識に近いものがありますが、漢字検定7級(=小4)から6級(=小5)のジャンプが大きかった。これって、9歳から10歳くらい。このあたりの「語彙」を見てみると、抽象的な語彙が多いです。よって漢字学習を進めて、それなりの読書をしていれば、小2(7~8歳)でも抽象的思考はある程度可能になるような気がします。

 

(4)抽象的思考ができない状態で算数をやると暗記になる?

意味不明っす。乱暴すぎる議論だと思います。

 

・・・でも、なんとなく、意味が分かるような気もします。具体的な例を出すならば、文章題として書かれている「植木算」(トップクラス2年レベル)を計算だけで解くような子供のタイプかな、と想像します。つまり、「文章に書かれている状況を理解して、白紙にきちんとその状況の絵を描くことなく、なんとなく計算する」タイプ。他の例で言うと、文章題として書かれている「つるかめ算」(トップクラス3年レベル)を、面積図などに抽象化できないタイプ。やり方を知っているだけで、「なぜそうなるのか?」を理解していないと駄目なのだろうと思います。

 

たぶん、こういうタイプは、足し算と引き算はできるけれども、割り算や掛け算を使う文章題を苦手とするタイプ。計算を取り違える、など。規則性の問題で、割り算の商と余りを、実際の規則性との関係に紐づけられないタイプ。このあたりが、「抽象的思考ができないので算数ができない」のかなと想像。理解できていないので、適用する計算パターンを暗記してしまう、という事象は発生してもおかしくありません。

 

某受験記を読んでいたら「速度」問題は抽象的だとの指摘もあり、この概念に対して娘がどういう反応を示すのか、は良い実験になると思います。でも、娘は速度問題もすんなり理解できそうな予感はあります。東京から静岡県まで1日で120km走り、自転車についているスピードメーターで時速と距離をずっと見ていますから。なんだ、結局のところ、具体的な経験の幅と深さが、抽象的思考や論理的思考の基礎になるような気もします。

 

(5)先取りがなぜ批判されるか?

保護者の心配の裏返し、ではないですかね。先に進んでいる同学年をみると、なんとなく不安な気持ちになるでしょうから。この反省録を読んで不安になる方は、公文未来フォーラムが開催されるホテル会場や、塾銀座で有名な[xx]方面でリアルな同学年を見た方が良いとも思いますが。

 

尚、「中学受験を見据えての低学年先取り」を批判する人に聞きたいのですが、「海外(特に米国)における飛び級制度」に対しても同じ批判をするのでしょうかね?きっと、後者に対しては批判しないんだろうな~。

 

(6)先取り学習の弊害

子供に対する弊害よりも、親に対する弊害の方が大きい気がします。つまり、「低学年ブースト先取り中毒者」(テブチュウ)なので、どんどん先に進めたくなります。その気持ちを冷静にセーブすることはできるのですが、実はセーブできない要素があります。

 

それは、先を見越した教材の研究です。何を、いつ、どのように使うのか。これを考えるのは、それなりの時間とエネルギーを消費します。つまり、子供が机に向かう1時間のために、親としてもそれなりに時間をかけて準備が必要になります。

 

その結果、親が全ての段取りを整えて、子は従うのみとなります。これだけ聞くと「なんと主体性の無い子供が育ちそうか」とまた怒られてしまいそうです。しかし、熟のカリキュラムに乗る、というのは結局同じことなのだということも、新小3になって分かってきました。塾のカリキュラムに乗っかっていて、主体性も何もありませんよね?(笑)

 

(7)まとめ

先取り学習。やりたい人はやれば良いし、無駄だと思う人はやらなければ良い。各家庭それぞれで良いと思います。信条の問題なので、優劣も無ければ正否も無し。

 

ただ、無駄だと思うのは良いとしても、大手塾の公開テストで、立ち位置位は把握しておいた方が無難だと思います。なにせ、公開テストは学年相当ですので。小1~2の公開テストに意味があったか、と問われれば、「趣味の範囲でしたわ~」と思いますが、小3にもなってくると、そうも言っていられなくなります。

 

そして、小2末時点でデキるお子さんは、そのまま、ずっとデキそうなオーラが満載っす。

 

 

★現時点の立ち位置(塾以外):

①公文数学:上位0.5%/H教材(=中2)【2018年1月19日から】

②公文国語:上位2%/GI教材(=中1前半)【2018年2月2日から】

③漢字:漢字の要【2017年12月9日から(2017年10月漢検5級合格済)】

④計算:マスター5年【2017年12月22日から】

⑤直球算数:トップクラス算数徹底理解編小3【2017年12月10日から】

⑥思考算数:きらめき算数脳小3【2017年10月1日から】

 

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Posted by senki