小5/算数:中学受験算数の「四則計算スキルの進化プロセス」(”計算は「暗記」か「暗算」か?”)

2020年08月(小5)


2020年8月9日(日)。

 

計算は「暗記」か「暗算」か。

 

建設的な批判を頂けましたので、深掘りして考えてみます。

 

(1)コメント欄からの抜粋

 

読者の方:「質問です。20以降のかけ算は筆算でやるんですか?」

 

戦記:「筆算で十分だと思います。サピックスにはたまに23とか29の素数の倍数が出てきますが、通常の範囲は19までの倍数です。」

 

読者の方:「質問方法が悪かったです。筆算ではなくなんで暗算でやらないのですか?ということです。暗記が19までで、それ以上は筆算を使うとなると、倍数約数での活用以前に単純計算が遅くなりそうなのですが。」

 

戦記:「100%の精度で早く暗算できるならば、暗算でも良いと思います。しかし、現実には暗算での100%精度は難しいですし、では36×82を暗算でやる意味は、ほぼ意味がありません。100%精度の筆算が早ければ、全く困りませんので。」

 

読者の方:「暗算をやったことはありますか?筆算と精度は変わりません。なお速度的には、筆算の36×82を書いている間に終わります。倍数約数の勘どころの為だけの話であれば、それこそ他に方法もあろうかと思います。どうも暗記がお好きなようなので、これ以上は不毛なのでしょうが、頑張ってください。」

 

戦記:「別に暗算がお好きならば、それでも宜しいかと思います。東京から兵庫に行くのに、飛行機にするか新幹線にするのか、の違いでしかありませんから。但し、暗算には以下制約があると僕は考えています。これもあり、娘には算盤や特殊な暗算方法は教えていません。

①暗算の射程距離は短いと思います。2桁掛け算くらいならば一定のルールでできますが、例えば、2桁を超えるような324 x 94を暗算で処理できれば良いのですが、ここまでくると、筆算した方が確実になります。

②暗算は脳みそを使う処理作業ですので、人間である以上、100%の精度を出すことは困難だと思います。記憶はこれとは違いまして、きちんと記憶できていればミスはありません。

、、、以上が僕が思うことですが、そもそも中学受験算数における「計算」は、できて当然の世界ですので、最速を競ってもあまり意味が無いと思いますよ(笑)。計算は最後の処理にすぎず、その前の算数的・数学的な論理解析ができていなければ、意味がありませんから。。

そして、実際に有名中の問題や、ジュニア算数オリンピックの問題を見れば分かりますが、計算処理で優劣が決まるような問題って少ないですよね。そりゃそうですよね。計算マシーンを欲しい学校なんて無いでしょうから。」

 

読者の方:「後半の話については私も同じ意見です。そうであればなおのこと暗記する意味は薄いと思います。ちなみに暗算は特殊な方法ではありません。筆算を頭の中で処理するだけの話です。」

 

戦記:「^ ^」

 

(2)現時点での僕の仮説

 

良く考えてみると、「暗記」か「暗算」かというテーマ設定自体が間違えているように思います。

 

まずはゴールから考えてみます。

 

①ゴール:100%精度での計算結果の算出

②制約条件:テスト時間

 

テスト時間が無制限にあるならば、検算含めて全て100回くらい筆算でやれば良いので、大した問題はありません。

 

よって、ここで重要なのは、

 

①→中学受験算数では、計算間違いはゼロバリューになる。

②→制限時間が無ければどんな方法でも良い。

 

ということかなと思います。

 

では、具体的な計算方法が何種類あるかというと、暗記か暗算かの2種類ではなく、暗記か暗算か筆算かの3種類だと思います。筆算がゼロで中学受験算数を解ける人は、ほぼいないでしょうから。

 

速度が速い順に並べて見ます。

 

(a)暗記(→九九と同じで反射なので100%の精度と最短時間になる)

(b)暗算(→手を動かさず、全て脳内で処理をする)

(c)筆算(→手で書くことで処理をする)

 

・・・但し、よく考えてみると、この分類方法も正確ではありませんね。

 

なぜならば、「暗算」も「筆算」も、「暗記」の知識をベースに計算(=定量的な論理展開)しているからです。思考実験になりますが、我々大人でも、「既に暗記している九九」や「既に暗記している1桁+1桁の計算結果」を忘れてみると、暗算も筆算もとても時間がかかる筈です。全て計算するわけですから。

 

また、筆算をやるにしても、暗算も途中で使い、短期記憶に残す代替案として数字を書くわけなので、これも暗算の要素が入っています。

 

以上から分かることは、

 

暗記 or 暗算 or 筆算

 

という単純な構造は成立せず、実際には、

 

暗記量 and 暗算技術 and 筆算技術

 

という3要素のミックスになっていると考えるのが妥当のようです。暗記は記憶の「量」なのに対して、暗記「技術」と筆算「技術」です。「量」は精度100%ですが、人間なので「技術」は精度が100%になることはありません。

 

以上考えると、一般的な小学生の「計算(=定量的な論理展開)」のモデルは以下になるのかなと考えます。

 

 

中学受験算数という視点にて、娘の未就学児から小5までの計算スキルの進化を観察してきた経験に基づき、「四則計算スキルの進化プロセス」という形で一般化してみました。尚、僕は教育の専門家でも脳科学者でもないので、娘というn=1の観察結果から導き出した仮説にすぎませんが、専門家の方からの意見をお伺いしたいなと思います。

 

■四則計算スキルの進化プロセス

 

①第1段階:九九や1桁計算を暗記していない状態

全て暗算や筆算をしないといけない。時間もかかるし、精度も悪い。

 

 

②第2段階:九九や1桁計算を暗記開始した状態

暗記量が増加したので、暗算技術や筆算技術に頼る割合が減ってくる。

 

 

③基礎的な暗記(九九など)を完了した状態

いわゆる、一般的な小学生の状態です。

 

 

④第4段階:九九を拡張する「計算視力」を強化した状態

第3段階で通常はおしまいなわけですが、九九を拡張するのが「計算視力」であり、第4段階となります。具体的には、2桁掛け算を暗記すると約数と倍数を見つけるセンスが格段に上がります。これにより、暗算技術や筆算技術に頼る部分が低下しますので、計算精度も向上します。また、3.14 x 1~19を暗記すると、円に関する計算が劇的に改善するのは誰もが知っていることです。

 

 

⑤第5段階:全ての計算結果を暗記している状態

実際には不可能ですが、仮に世の中の全ての計算結果を暗記していたら、100%の精度で0.1秒で解答可能です。これは、人間の脳みそのキャパシティに限界があり、達成不可能です。よって、第4段階以上で第5段階未満の間に、中学受験算数における四則計算スキルの最適解があると考えます。

 

 

■追記(2020年8月10日):
当日のアメブロ「教育・お受験」ジャンルの記事ランキングで8位の記事になりました。

 

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★現時点の立ち位置:

・資源配分比率:サピックス70%、中学入学後30%

①公文:数学K20・国語K100で冬眠【2020年1月から】

公文:英語II/上位45%【2020年8月5日から】

③算数:塾カリキュラムでオントラック

④語彙:パス単準2級+言葉ナビ上巻

⑤漢字:小5の深堀り中

 

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Posted by senki