スタディアップ:社会専門塾「スタディアップ」と対談②(中学受験における社会の特殊性)

2020年08月(小5)


2020年8月15日(土)。

 

社会専門塾「スタディアップ」(https://www.studyup.jp/)の野村恵祐さんへの取材記事です。

 

全5回連載の、本日は第2回です。

 

・・・今気が付きましたが、フォーブスも2020年8月にスタディアップに取材していますね。

 

=quote=

 

・FORBES JAPAN

・キャリア・教育 2020/08/04 08:30
・中学受験で「社会」を後回しにすると危険な理由

・石井 節子 / フォーブス ジャパン ウェブ編集部 エディター
https://forbesjapan.com/articles/detail/36206

 

“こういった現状の中、今、「社会を一番最初に固めること」に特化した学習法の提案で、多くの父兄に支持される教育者がいる。中学受験 社会科専門塾「スタディアップ」代表の野村恵祐氏だ。

野村氏は通販を通じて年間に3000名以上の受験生やその父兄と関わり、授業形式のライブ講義も行う。テレビや雑誌などのメディアなどにも数多く取り上げられ、「テストの花道 ニューベンゼミ」(NHK Eテレ)で地理の監修を務めるほか、「プレジデントファミリー」誌(プレジデント社刊、月刊)への寄稿も多数。著書も、『中学受験は社会で合格が決まる』(講談社)をはじめ多数。また中学受験の学習塾向けに社会科テキストの監修や模擬試験製作、社会科の指導コンサルティングも行う。"

 

=unquote=

 

・・・フォーブスはどちらかというと「ビジネスとしての成功」の視点から分析されていますが、僕は「中学受験生の保護者」の視点ですので、読み比べてみると、より立体的にスタディアップを理解できると思います。

 

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(2)中学受験における社会の特殊性

戦記:「私が野村さんの本を最初に読んだのは娘が小1の2016年7月ですが、そのときは、社会については「結局、社会は暗記でしょ」くらいにしか考えていませんでした。とはいえ、何をどういう段取りでやれば良いのかは、2016年時点では小1の保護者なので、僕も分からないわけです。

 

僕が社会という教科の特殊性に気が付いたのは、2016年2月入試結果のサピックス合格体験記なんです。ある女子御三家に合格されたお子さんが、「小5の9月には社会が仕上がった」と書いていて、本当に驚きました。僕からしたら、意味不明なわけです。サピックスで歴史が始まるのは、小5の秋であるはずなのに、サピックスのカリキュラム通りにやっているだけで、小5の9月に社会が仕上がるはずがありません(笑)。」

 

野村さん:「大手塾のカリキュラム通りに進めるだけで、小5の9月に社会が仕上がることは、絶対にあり得ないですよね(笑)。」

 

戦記:「はい、無理です(笑)。なにしろ、「歴史を始めた」ではなくて、「社会が仕上がった」ですからね。一体、これはなんなのだと。合格体験記には本当のことが書かれているでしょうし、なぜなのだろうと思っている中で野村さんの本に出合って、ロードマップが見えたというのが僕の実体験です。はい、告白してしまうと、僕は野村さんの戦略をパクっているだけです(笑)。

 

野村さん:「戦記さんが、小5の夏に歴史を完成させているのは、社会を固めるのが早すぎるくらいです(笑)。戦記さんのブログを拝見すると、最近は、もう実際の入試問題を解かれて、しかもそれをブログで公開していますからね。拝見していて、非常に興味深いです。」

 

戦記:「野村さんが指摘されていらっしゃる通り、社会は一度完成させてしまえば、成績が安定するんですよね。そして、このアドバンテージがあるから、小5以後に算数などにじっくりと時間を使うことができるようになるのかな、と楽観的に考えています。」

 

野村さん:「戦記さんの場合、いまのところは理想的な展開ですよね。でも、塾業界としての中学受験指導の現場では、小6の4月になっても社会でボコボコにされていて、困っているお子さんがたくさんいらっしゃるのも純然たる事実なんです。わたしが運営しているスタディアップの教材を活用される受験生様は、大きく2つの傾向に分かれます。第一に、既に社会が得意ですが、難関校や人気校を志望していて、大手塾内部で差別化するために活用される方ですね。第二に、社会で本当に困っていて、藁にも縋る思いで活用される方もたくさんいます。つまり、社会で本当に苦しんでいる方が今も相当な数いらっしゃるのが現状です。ということは、4科の中で、社会を最初に固めるという戦略は2011年に書籍として発表しましたが、あれから9年が経過しても、いまだに算数や国語に時間を割かれる方が多いのだと思っています。」

 

戦記:「野村さん自身も本という形で2011年に出版されていて、そしてその後も2冊の出版を行い、計3冊もそういった戦略を世に出しているのにも関わらず、それでも社会を後回しにして小6で苦しむお子さんがたくさんいらっしゃるのは勿体無いなあと思います。小6で睡眠不足になりながら社会の暗記をしたら、社会という教科が嫌いになってしまいますよね。これは、その後の人生を考えると、自分の母国である日本の地理と歴史を知らない薄っぺらい人間になりかねません。教養を持たないという意味においても、日本の損失になると思います。」

 

野村さん:「勿体ないですよね。」

 

戦記:「社会の知識って、ものすごいレバレッジが効くんですよ。どこでレバレッジが効くかと言うと、家庭内での会話です。例えば、家族での夕食時の会話で、算数が話題になることはないですよね。「一辺10cmの正方形の周りを一辺2cmの正三角形が転がりながら移動して・・・」なんていう会話は、家族ではしないと思います。」

 

野村さん:「そうですね、しないと思います(笑)。」

 

戦記:「国語もしませんね。読書の話はするかもしれませんが、「主語と述語の関係」とか、「物語文の心情心理理解について」という話題を、家庭内の夕食での会話で議論する御家庭は、相当レアなケースだと思います。理科にしても、「昆虫の足が6本で」とか「電流と磁界の関係、そしてモーターについて」といった会話も、普通の家庭はしないと思います。」

 

野村さん:「確かにないですよね。」

 

戦記:「はい、ないですよね。

 

ところが、社会は違うと思います。僕は物事を観察したり分析したりするのが好きなのですが、我が家の親子の会話、つまり妻と娘とか、僕と娘とか、妻と僕の家庭内での会話を分析してみると、80%くらいは社会という教科に分類すべきトピックなんですよ。

 

例えば、九州地方の洪水被害なんかは社会ですよね。梅雨前線とか線状降水帯といった豪雨発生メカニズムは理科の知識かもしれません。しかし、気象庁という組織、大雨特別警報といった行政の役割、河川の氾濫とダムといった防災施設、国と地方公共団体の役割の違いと予算配分とかは、社会のトピックです。他に事例を出すと、今年の秋の米国大統領選挙がどうなるとか、民主党と共和党との二大政党制とか、大統領制と議員内閣制の違いとか、これらも社会という教科の範疇に入るトピックです。

 

最近妻はTBSのドラマである『半沢直樹』にはまっていて、娘も第一話は見ましたが、銀行と証券の違いとか、株式会社と取締役会の関係とか、出向とか左遷とか、そういった概念にも娘は触れていますが、これも社会ですね。我が家はテレビニュースはたまに見るくらいですが、娘は毎日小学生新聞を愛読していますので、いろいろなニュースがあり、これら時事ニュースの大半は社会です。もちろん、娘が小学校で経験する人間関係を含めたトピックは、これまた社会です。

 

つまり、こうして列挙してみると分かる通り、家庭の食卓での普通の親子の会話は、80%くらいは、社会という知識に根差したもののようなのです。」

 

野村さん:「なるほど、わたしからは見えづらい家庭内でのリアルですね!」

 

戦記:「最近の僕の仮説になりますが、親子の会話レベルを上げないと子供の精神年齢を上げることは厳しいのではないか、と考えています。つまり、親子の会話レベルを上げるためには、基礎的な社会の知識は不可欠なのではないかと考えています。それこそ、テレビニュースを見ていても、単なる一事件として見るのか、社会が抱える課題として見るのかで、全く思考回路が異なりますから。

 

先週、娘がサピックスの夏期講習の社会で、「リーマンショック」という歴史的事実を学んだようなのですが、娘からリクエストがあり、妻が2008年当時にいきなり解雇されたリーマン社員が段ボールに荷物を入れてビルの外に追い出される話をしました。この話題は、日本の終身雇用と米国のEmployment-at-will契約の違い、証券会社というビジネスモデル、2008年から2009年にかけてクビになった米国東海岸の20代が大学院を避難場所にしたからMBA受験が大変なことになったとか、じゃあなんで米国ではみんなマスターを目指すのか日本との違いは何か、とどんどん発展していきました。

 

これらの会話が親子間で成立するためには、論理的思考能力もさることながら、社会の一般的知識がないと難しいと思うんですよ。

 

これらの学びから推測できることは、お子さんの社会の知識を早期に固めると、親子間の会話レベルを引き上げることができて、その結果として子供の興味関心の幅が広がり、読書の幅も広がり、サピックスなどの社会の先生が言っていることを、より深く理解できるようになるのでは、と思うんです。」

 

野村さん:「おっしゃる通りかもしれませんね。ブログを拝見しますと、戦記さんは、小学生新聞も積極的に取り入れていますよね。」

 

戦記:「はい、毎日小学生新聞を小2の頃から娘は愛読しています。」

 

野村さん:「小学生新聞は朝日、毎日、読売、それぞれ特徴が異なりますが、毎日小学生新聞は、紙面が工夫されていますよね。小学生に特化して、構成を徹底的に考えています。」

 

戦記:「ですよね。でも、真面目に小学生新聞を読みこんでも、知識は定着しないように思うんです。やはり、雪だるまのコアのような知識が無いと、いくら新聞を読んでもそれでおしまいになるように思います。」

 

野村さん:「そうですよね。地理、歴史、公民といった土台の知識を持ちながら、小学生新聞のような情報が流入してくるから、時事的な理解も膨らみ、そして親子の会話もどんどん有意義になっていくイメージですよね。」

 

戦記:「はい。新聞を読んでも、疑問に思わないようでは、新聞というメディアの価値を有効活用しきれていないと思います。明治以後の歴史認識も同じですよね。経緯が分からないと、現代について理解が深まらないと思います。」

 

野村さん:「理想的ですね!社会においては、親子で社会の共通項を持って会話している御家庭は、たぶんそのような感じなのだと思います。」

 

戦記:「お子さんの精神年齢の幼さを嘆く保護者の方は多いですが、結局、家庭内の会話に、お子さんの成長を促すヒントがあると思います。家庭内の会話レベルを引き上げれば良いのです。しかし、社会という教科を先に固めないと、会話のレベルを引き上げることができないし、親子の他分野の会話も上げることも難しいかもしれません。実は、算数の知識がなくても、親子の会話には影響がないと思うんですよ(笑)。なので、野村さんのおっしゃる通り、先に社会を固めると良いと思います。」

 

戦記:「野村さんは著作で「ガイアの夜明け」を推奨していますが、「ブラタモリ」や「歴史秘話ヒストリア」はどうですか?」

 

野村さん:「3冊目の本を出版する際に、受験生のためになるテレビ番組を一つ、本の中で紹介しようと考えたのですが、親子の会話を考えた場合、お父さんがビジネスパーソンである御家庭も一定数いらっしゃるとすると、「ガイアの夜明け」のような映像がたくさんあって臨場感があるものが良いと考えました。例えば、漁業といっても、実際の漁船を見たことが無いお子さんは想像ができないのです。また、海洋プラスチック汚染に伴うレジ袋有料化も同じです。本当は、小5~6のお子さんには実際に見て体験してもらいたいのですが、中学受験生はとても忙しく、なかなか体験する時間が取れないと思いますので、そういった経緯でドキュメンタリー番組を推奨しました。」

 

戦記:「たしかに、ドキュメンタリー系でないと、番組を見て終わりになってしまうかもしれませんね。」

 

野村さん:「クジラやイルカのお腹からマイクロプラスチックのようなゴミがでてくるのは、やはり子供も大変驚くと思いますし、その流れで環境問題を真剣に考えるきっかけにもなると思うのです。」

 

戦記:「たしかに、「ブラタモリ」や「歴史秘話ヒストリア」だと、そういう意味の驚きは無いかもしれませんね。ドキュメンタリーは社会が面している課題をテーマにして、スポットライトを当てていますから。こう考えると、「ブラタモリ」や「歴史秘話ヒストリア」は教養に近いかもしれませんね。現在の課題を明確にするのは、ドキュメンタリーだというお考えに納得しました。」

 

野村さん:「ドキュメンタリーを親子で見ることで、世の中の課題や時事問題を認識できますね。あと、歴史に興味をもつためには、王道かもしれませんが、NHKの大河ドラマが良いと思います。作り込みがしっかりしていますから。親子でも見やすいですし。私が良く保護者の方に言っているのは、大河ドラマの知識が丸々入試で出題されるわけではないけど、今と昔がつながっていることに対する関心を引き出すという意味において、有効だということです。お子さんが、「日本の昔ってこうだったんだな」という関心を持つことが大事だと思います。」

 

(続く)

 

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■追記(2020年8月16日):
当日のアメブロ「教育・お受験」ジャンルの記事ランキングで1位の記事になりました。

 

 

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★現時点の立ち位置:

・資源配分比率:サピックス70%、中学入学後30%

①公文:数学K20・国語K100で冬眠【2020年1月から】

公文:英語II/上位45%【2020年8月5日から】

③算数:塾カリキュラムでオントラック

④語彙:パス単準2級+言葉ナビ上巻

⑤漢字:小5の深堀り中

 

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Posted by senki