ヨンデミー:現役東大生開発の「AI司書」への取材(⑦「読書」のペインポイント)

2021年01月(新小6)

2021年1月17日(日)。

 

「AI司書」サービスを展開するヨンデミーの代表取締役/笹沼颯太さん@東大経済学部3年への取材記事を、全9回で連載させて頂きます。中学受験→筑駒時代→東大経済学部でヨンデミーを起業→ヨンデミーで何を目指すのか、といった流れの連載になります。

 

 

⑦「読書」のペインポイント

 

 

笹沼さん:「読書にはたくさんのペインポイントがありますね。まず、マクロなポイントから言うと、学校で読書のやり方を教えないというのは、かなり異常なことだと思っています。」

 

 

戦記:「国語の授業はあっても、読書の授業はありませんしね。」

 

 

笹沼さん:「国語の授業は、、、あれは読解の授業なんですよね。傍線部の指示語を追っていきましょう、とか。そういうテクニカルなことを教えるのが、普通ですよね。でも、読書のやりかたとか、本質的に読む経験を増やすとか、多読とか、どうやって選ぶのかとか、教えてくれませんよね。楽しい、自分に合った本の探し方とかも、学校では教えてくれません。」

 

 

戦記:「たしかにそうですよね。」

 

 

笹沼さん:「では、どこで子供たちが読書の楽しみ方を知るかと言うと、家庭なんです。」

 

 

戦記:「塾でも教えてくれませんしね。」

 

 

笹沼さん:「はい。学校でも塾でもない、家庭なんですよ。とはいっても、親が読書好きでその本の楽しさを上手にお子さんに伝えられる親御さんだったら良いのですけど、もし親が本を読まなかったら、親が読書好きだったとしてもし親がお子さんに本の楽しさを伝えるのに苦戦していたら、お子さんが読書を楽しむきっかけを得られないことになります。これが、現代社会が抱える一番の構造的な問題だと思います。」

 

 

戦記:「そうですね、公文教室には、教室に公文の推薦図書が置いてあって手に取るということはあります。でも、サピックスには本は置いていませんね。学校の教室にも本はありますが、まあ置いてあるだけですね。」

 

 

笹沼さん:「公文さんの推薦図書も課題があります。進度や学年別に推薦図書が提示されていますが、同じ進度や学年だからといって、同じ本が読めるわけではありません。また、図書館の学年別のブックリストにしても、うまく機能しないと思います。それは、図書館に行くような小学校3年生向けのブックリストであり、これを図書館に足を運ばないような小学校3年生が読むと、難しくて挫折してしまうわけです。」

 

 

戦記:「まあ、そうですよね。そして、ブックリストの問題は、それを編集した大人が子供に読んで欲しいという願望が詰まったものだと思います。」

 

 

笹沼さん:「まったくその通りですね。いわゆる名作と言われる本でしたり。」

 

 

戦記:「あとは、古典ですね。これは是非読んで欲しいという、親のwishの塊ですね。それは、お子さんの成長という長い時間軸で考えると、どこかのタイミングでマッチするかもしれませんが、そのタイミングはお子さんも分からないし、親も分からないですよね。」

 

 

笹沼さん:「はい。名作も古典も良いのですが、問題はそれがお子さんの手に渡るタイミングだと思います。私は小4のときに『星の王子さま』を読んで、死ぬほどつまらなかったです(笑)。仕方ないです。当時はコンテクストを理解できませんし、示すメッセージに全く共感できませんから。これが、小6だったり、中2だったり、出会うタイミングが合えば、素敵なことが書いてあるという事を理解出来たりするわけですが。しかし、親が読ませたいタイミングと、お子さんが読みたいタイミングが異なると、悲劇になります。これは難しいところです。」

 

 

戦記:「読書は、タイミングの問題と、関心の方向性の問題も大きいかな、と思います。子供の場合、いろいろなことに関心を持っているので、この方向性と合わせることも大事ですね。生き物が好きだとか、鉄道が好きだとか、はやぶさ2の関係で宇宙に興味を持つとか、そのタイミングで本を与えることが難しいです。まあ「与える」という言葉自体が少し違うのかもしれませんが「渡す」という言葉でも良いです。本は物理的な存在ですので、親御さんがお子さんに「物理的に渡す」というアクションが必要になります。良いタイミングで「適切な本を手に取る」という機会を創出することが大事だと思います。お子さんが自分で図書館に行っても、本棚に並んでいる本のタイトル、著者名、色、厚さ、くらいが本の選定基準ですよね。」

 

 

笹沼さん:「この問題は2つありますね。1つ目は、お子さんの興味に合わせて本をチョイスしてあげる大人がいれば、お子さんが楽しめることになります。2つ目は、お子さんの興味って、出会ったものの中からしか湧かないんですよ。お子さんが知らない世界のことを、お子さんが自主的に引っ張ってきて読むなんてことは、ほぼあり得ないんです。だって知らないわけですから。親御さんがお子さんにいろいろな世界を見せてあげて、お子さんが関心をもったことに本を提供してあげる、そういった工程が必要になるわけです。それなのに、本を提供することなくYouTubeばかり見ていたら、そりゃ誰だってYouTuberになりたいと思うわけですよ。お子さんに選択肢を提供し、お子さんが選んだ選択肢にマッチした本を提供してあげることが大事です。」

 

 

戦記:「娘は現在新小6ですが、小1の最初の頃は本の選択で私も苦労しました。小1のときは図書館に一緒に行って本を10冊持ち帰っても、読み切るのは1-2冊かなというかんじでした。我が家はテレビもYouTubeも見ないので、自宅では本が娘の娯楽になるわけですが、結果的に偕成社文庫を多用しました。小1から現在までに、記録に残っているだけでも約680冊を読んでいますが、読書がある程度軌道に乗るまでは試行錯誤の連続でした。お子さんの数だけ読書のスタイルがあると思いますが、これが意味することは、お子さんの数だけ親御さんの悩みがあるということでもあり、この分野はテクノロジーの力で解決すべき分野かなと思います。私も娘が読む本を読んで、一緒に語り合うようなことも随分しましたが、これはなかなか辛いので再現性が低いと思います。」

 

 

笹沼さん:「親御さんが同じ本を読むのは辛いですよね。特に児童書を昔読んだことがあるといっても、もう20年以上も前のことでしょうし。」

 

 

戦記:「娘が小1のとき、私も娘が読んだ本は全て読んでいて、感想をぶつけ合うことをよくやっていました。君が主人公だったらどうした、とか。これをやると、娘の反応をみれば読書をさぼっていることも分かりますし(笑)、的確な反応があれば、娘がきちんと読んでいることも分かります。ただ、親の負担が大きいので、同学年のお子さん同士で意見を交換しあうとかできると、お子さんも面白いかなと思います。」

 

 

笹沼さん:「まさにそうですね(笑)。今のお話で素敵なポイントがあったのですが、感想の聞き方です。感想文とか、お子さんって一言で済ませる傾向がありますよね。」

 

 

戦記:「面白かった、とかですよね(笑)。」

 

 

笹沼さん:「はい、そうです、そうです(笑)。そういう親御さんの悩みって多いと思うのですけど、それは聞く側にも改善すべき課題があります。そりゃ「この本どうだった?」と聞いたらお子さんの反応は「面白かった」と返ってくると思うんです。でも、戦記さんがおっしゃったように、どの主人公が好きだったとか、どのシーンが好きだったとか、そういう具体的な聞き方をすればお子さんの答えも変わってくると思うんです。でも、そのためには、親御さんも同じ本を読んでいないといけません。親御さんが丁寧にお子さんに聞けるというのは大事なポイントだと思います。今、お話の中でさらっと仰っていましたが、素敵なポイントだと思います。」

 

 

戦記:「ありがとうございます。膨大な失敗を繰り返して、このスタイルに落ち着きました(笑)。これしか方法がなかった、というのが実態ではありますが。あと、よくやったのが、物語の続きを考えよう、というものです。5分くらい二人で演劇をやるとか。」

 

 

笹沼さん:「ヨンデミーの中でも、本の楽しみ方を教えるレッスンがあるのですが、本の続きを考えてみようというレッスンがあります(笑)。」

 

 

(続く)

 

 

 

 

 

★現時点の立ち位置:
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④語彙:パス単準2級+言葉ナビ下巻
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Posted by senki