認定NPO法人カタリバさんとの対談:②教育機会の格差「受動的ではなく主体的に選択して生きていくのだ」

2022年01月(新中1)

2022年1月30日(日)。

 

2022年組の中学受験もいよいよフィナーレを迎えます。

 

しかし、現在の日本を俯瞰してみると「中学受験をしている」のは一部の恵まれたお子さんに過ぎません。満足な教育機会を得られていないお子さんが多数いらっしゃる、というのが現実です。

 

僕は娘の中学受験を通じて「教育の機会格差」の問題が深刻化していることに気が付いたので、2020年2月のコロナ危機勃発を契機にカタリバさんへの寄付を開始しました。カタリバさんのVisionに共感したからです。

 

僕がカタリバさんと出会ってから2年が経過しました。この2年間の総括として、カタリバさんと対談の機会を頂くことができました。全3回シリーズにて、「2022年組の中学受験の裏で、今の日本に起きていること」をお伝えしたいと考えます。

 

認定NPO法人カタリバさんとの対談:①教育機会の格差「コロナ発生で困窮世帯の課題がどう変化したのか」

 

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戦記:「2つ目のアジェンダですが、テレビドラマの影響で中学受験熱が高まっているように思いますが、お子さんが認識する学びの機会の格差は広がっているのでしょうか。「二月の勝者」は見ていましたか?私は見ていませんが。」

 

三箇山さん:「存在は知っていますが、見ていませんね。」

 

戦記:「世の中の過激な教育投資の世界が地上波で流れるのは、教育機会を得られていないお子さんからするとまたストレスになりかねないかと考えています。都区内ですと、一番低い学校でも10%は中学受験をするでしょうから。隣の同級生がやっていることが、基本的にお子さん同士で分かることになります。」

 

三箇山さん:「学校によっては中学受験率が90%を超えるところもあると聞いています。」

 

戦記:「公立小学校の場合、同じクラスの中に、給食を食べられない子供と、年間100万円以上の塾代が投資されている子供が混在することになります。私自身も、下町の出身であり、どちらかというと生活がギリギリだった家庭の出身ですから、小学校ながらに親の経済格差を認識していました。今はインターネットにより、水平的な地理格差も見えてしまいますし、縦の経済格差も見えてしまいます。」

 

中島さん:「困窮家庭の保護者さんも、お子さんを塾に通わせたいのですが、それができません。ですので、お子さんに対して申し訳ない、という気持ちをお持ちの方が多いです。」

 

三箇山さん:「カタリバは、子どもたちが生まれ育った環境によって、体験格差や機会格差が起きてしまうことを解決したい、という思いで20年間活動をつづけてきました。被災した/していない、経済的に豊かな家庭/そうでない、生活圏が都市部/地方地域 など、子どもたちの置かれている状況によって、何か「諦めなきゃいけない」という選択肢を、社会のサポートで無くしていきたいのです。」

 

戦記:「子ども自身が、自分が歩みたい人生をイメージする。これは大事なことですよね。」

 

三箇山さん:「子どもは、不本意に選択せざるを得なかった進路ではなく、自分自身の判断で選択した進路である、という納得感が大事だと考えています。受動的ではなく主体的に選択して生きていくのだ、そういったマインドセットが、貧困の連鎖から抜け出すには必要だと考えます。」

 

戦記:「イメージが持てない。想像がもてない。これはもったいないですよね。本来、子供はいろいろな可能性があるのに。努力の仕方が分かれば、前に進めることになります。」

 

三箇山さん:「中学、高校、大学の受験界でも同じですよね。自分自身が成功するイメージが無いままに、手段である学力をひたすらつけることは難しいと思います。そして、将来のイメージを持たないことが、学力を身に着けることの意味が分かっていない学習になってしまっています。目的と手段が入違っているお子さんは多いのではないでしょうか。子供の学力には、納得感と目的意識、この2つが大事であり、カタリバではこの両方をセットで支援したいと考えています。」

 

 

(続く)

 

 

 

 

★現時点の立ち位置:
・資源配分比率:中学受験90%、中学入学後10%
①公文:数学K20・国語K100で冬眠【2020年1月から】
②公文:英語KII/上位5%【2021年11月19日から】

 

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Posted by senki