スタディコーチ:現役東大生への取材 2023年版 (4) / 栄東「大学受験では塾に通っていません、栄東のカリキュラムをフル活用しました」
2023年6月11日(日)。
Twitterでの「英語手遅れ問題」の議論をきっかけに、現役東大生への取材を再開しました。僕の資産運用益を原資として、スタディコーチに在籍する現役東大生に対して10個の質問を投げかける形式です。
・2023年5月21日:スタディコーチ:現役東大生への取材 2023年版 (1) / 兵庫県立大学附属「都会の進学校の生徒がどれだけ先取りで且つしっかりと勉強しているか」
・2023年5月28日:スタディコーチ:現役東大生への取材 2023年版 (2) / 桜蔭「周りの状況を気にしすぎている人は大学受験で失敗」
・2023年6月4日:スタディコーチ:現役東大生への取材 2023年版 (3) / 駒場東邦「中1の実力試験で50位以内の人の半数以上は大学受験でも結果を出していました」
本日は4回目の取材です。
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戦記:「本日は宜しくお願いします。早速ですが、①中学受験での塾、進学先(出身校)、大学受験での塾、東大受験での科類を教えて下さい。」
コーチ:「私は、日能研から栄東中学に進学しました。大学受験では塾に通っていません、栄東のカリキュラムをフル活用しました。栄東では高校で放課後に東大対策のコースがありましたので、これで十分でした。進学先は、文科三類です。」
戦記:「栄東のメニューを使い倒した、と理解します。②出身校で大学受験で結果を出せた人に共通する特徴を教えて下さい。」
コーチ:「目標がしっかりしていて自分は絶対に受かるという信念が強い人、またその信念のもとで、とてつもない努力を苦なく継続することが出来る人だと思います。それも才能といえば才能なのですが。あと、負けず嫌いであることは大事ですね。」
戦記:「③出身校で大学受験で結果を出せなかった(と思われる)人に共通する特徴を教えて下さい。」
コーチ:「思いつくままに列挙させて頂きますと、目標がふんわりしている、自律心が弱い、ですね。あと、ちょっと表現は良く無いかもしれませんが、他人を蹴落としてでも受かろうという競争心、が足りないのも良くありません。学力競争なわけですから。分からないことは何でも先生に聞いたり、東大生の先輩に片っ端から声をかけて連絡先を交換して相談にのってもらうなどの、なりふり構わぬ行動力を持っていない、またはそれほどの熱意もない人は、競争から脱落していきますね。」
戦記:「④出身校内で、学力の差が開く時期はいつでしたか。」
コーチ:「私が学年内の上位レベルに入ったのは中3からでしたが、上位はあまり差がないので、特に東大を目指すクラスの人はみな頭が良かったです。栄東は、東大合格者15人程度ですので、周りからは自称進学校と言われているかもしれません。しかし、そのような学校ですので、東大に余裕で受かる人などほとんどおらず、大体は爪の先がひっかかるか引っかからないかの差です。とはいっても、東大は全般的にそうだとは思いますが。」
戦記:「⑤出身校内での成績で中学時代に下位25%に該当した同級生は、どのような大学受験結果になりましたか。」
コーチ:「そうですね。。頑張ってMARCH、そうでなければそれ未満か、かなり地方の国立とかだと思います。」
戦記:「通塾されていないとのことですが、⑥鉄緑会などの大学受験塾をうまく活用できた人と、できなかった人の違いはなんでしたか。」
コーチ:「栄東は鉄緑会の指定校ではなかったので、正直事情は分かりません。」
戦記:「⑦最近、「中1の1学期期末テスト(ないしは3学期末時点)の成績が、大学受験の結果を占う」という説があります。コーチの考えを教えて下さい。」
コーチ:「そんなことはありませんね。私は入学直後の中間試験で下位クラスの31位/40位でしたが、焦って頑張ったら、期末では21位/40位に上がり、そこから10ずつ順位を伸ばして、中2では上のクラスに上がることが出来ました。先生がよく鍛えてくれる素晴らしい先生だったのもありますが、中1での学力など何の参考にもならないと思います。現に中1で上から2番目のクラス(1年2組)に入っていた子たちは成績が下落していき、高1で上位クラスに残っていたのはたった2人でした。大切なのは先生が生徒に勉強の意義を伝えモチベーションを高め、とにかく鍛えることだと思います。私のクラスからは大勢が翌年上位クラスに上がり、大学受験でも良い成績を残しました。先生大事だなと思います。」
戦記:「⑧最近、「英語は小学生時代から開始しないと、東大や国公立医学部受験に間に合わない(英語先取りしている人が有利だから)」という説があります。コーチの考えを教えて下さい。」
コーチ:「塾などに通ったりして充分な実力が付くのなら行く価値はあると思いますが、週一のお遊びくらいの英語学習は意味がないと思います。ただ、英語を先行したから東大や医学部に受かるとは言えません。あくまで本人の努力と資質です。親から与えられた受動的な英語経験を主体的に活かせるかは子供次第ですし、英語だけ出来ても東大に受かるわけではないので、それが通用するのは上智とか、付属からの早稲田進学までではないでしょうか。」
戦記:「⑨東大入学時点で大学受験レベルをはるかに凌駕する英語力を持つ学生はどれくらいの割合でいましたか。また、その英語力によって東大卒業後の進路が有利になるとお考えですか。」
コーチ:「2-3割くらいかと思います。大手は英語が出来ることが基本、というような傾向もあるので、東大卒で英語ぺらぺらだったらどこの会社でも入れるのではないでしょうか。また、そこまでペラペラになれる環境を与えられたということは親も上流階級の富裕層なので、卒業後に海外の大学院に進学することなども現実的な選択肢にすることができると思います。金銭的な経済力は大事ですから。」
戦記:「⑩中学受験で燃え尽きてしまう事例も増加しています。コーチングはこのようなリスクを回避しうるものでしょうか。コーチの考えを教えて下さい。」
コーチ:「熱いコーチだったら可能だと思います。熱くなくても話術が巧みだったり、良い意味での洗脳が上手な人であれば「勉強しないとヤバい」という意識を植え付けて、すぐに机に向かわせることが出来ると思います。モチベーションを高めるのが上手な先生の特徴は、目線を将来に向けて経験談を交えて話す人で、頻繁に怖い話をしていました。例えば、怠けた結果大学受験に失敗して就職もうまくいかないとか。また、教訓話、例えば自分は何年生のときにこれをしなかったから後悔した、をしたりなど、とにかく今の努力が将来につながっているという話を説得力を持って話せる人だと、生徒も自分の人生に対する自覚を持って勉強に意欲的に取り組めると思います。」
戦記:「なるほど。」
コーチ:「中学受験を経験した子たちには親にやらされて、とか勉強やってると偉いみたいな意識のある人が多い気がしていて、勉強は自分のためにするものという意識が弱いからすぐやる気をなくしたり、誰も勉強しろなんて頼んでいないのに「勉強いやだー!」と騒いだり病んだりするのだろうと、過去の家庭教師の経験から、もやもや思っていました。家庭教師を頼む家庭は親が充分な教育環境を整備するのですが、子供のやる気がなかったり勉強に対する拒否反応が出ている家庭が多いですね。勉強しないで困るのは自分なのだ、という意識を根本的に植え付ける働きかけが大切だと思います。」
(以上)
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★現時点の立ち位置:
①公文:英語M、数学N、国語M
②英単語:パス単1級「でる度A」まで復習中










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