小5/読書:『熊嵐』(吉村昭)

娘の読書・映画

2020年7月24日(金・祝)。

 

暫く前のお話。

 

娘:「面白かった!最後の、銀四郎との戦いが凄い!」

 

僕:「んじゃ、今度の冬は熊を食べようか。温暖化で生態系がぶっ壊れ、どこの猟友会も人手不足だからな。」

 

娘:「パパの腕と銃じゃ、無理でしょ。。それにしても、この熊、この大正時代、軍隊が出動しても勝てなかった熊なんだよね。銀四郎は狩ったけど。」

 

吉村昭に感謝。それにしても、素晴らしい描写です。

 

=quote=

p.225

 

銀四郎の動きが、とまった。かれは、ニレの巨木に身を寄せ、銃をかまえた。

 

区長には、その立射の姿勢が美しいものに見えた。銀四郎は背筋を正しく伸ばし、両足をわずかにひらいて水平に銃身をつきだしている。銃に傾けた顔の角度も、安定感にみちていた。

 

すさまじい発砲音が、凍てついた空気をふるわせた。金属の板を一撃したような甲高い音響であった。

 

区長は、茶色い大きな岩石のようなものが二メートルほどはね上がるのをみた。そして、それが重量感にあふれた音を立てて落下すると、周辺の樹木から雪塊が一斉に落ち、あたりは雪片で白く煙った。

 

区長は、眼前の光景がなにを意味するのかわからなかったが、やった、やったと胸の中で譫言のように叫んでいた。

 

しかし、熊の生命はまだ絶たれていなかった。茶色い毛が逆立つと、ゆっくりと立ち上がった。うるんだような眼が、こちらに向けられた。大きな体であった。血のあふれ出る口が半ば開かれ、異様な吠え声がふき出た。

=unquote=

 

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Posted by senki