ヨンデミー:中学受験サピックスの理科・社会のテキストの特徴②

2021年04月(小6)

2021年4月29日(木・祝)。

 

週末に、ヨンデミーさんとディスカッションした内容を記録しておきます。

 

テーマは、「サピックスの理科・社会のテキストの特徴」です。ヨンデミーさんの、大手塾の理科と社会のテキストの分析記事が参考になります。

 

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戦記:「サピックスという塾は、学年によりがらりと性格を変える塾だと思います。小1-3は週1ですし習い事の延長線上にあるかんじなのですが、小4で4科目になると同時に一気に塾っぽくなり、小5は高度なインプットが続き、小6になると何でもありのストリートファイトみたいな場に進化してきます。内容がいきなり難しくなるのが小5です。当時のことを思い返しても、テキストを円滑に読めるだけの語彙力とスピードが無いと、そもそも塾についていくのは厳しいと思います。」

 

 

笹沼さん:「そもそも、お子さんがいわゆる普通の日常生活を過ごしていても、理社に求められるような語彙に触れる機会って少ないんですよ。お子さんが学ぶ語彙は、日常会話からがメインソースになりますので。理科と社会に出てくるような語彙ですが、日常会話ではあまり出てきませんよね。」

 

 

戦記:「日常生活では、塩酸、は使わない語彙ですね(笑)。」

 

 

笹沼さん:「出てきませんね。そして、希釈するとか、攪拌(かくはん)するとか、ろ過する、も日常生活では出てこないと思います。社会は地名は行ったことがあれば、記憶には残るかもしれませんが。その場合、テキストを読む際に、知らない言葉があることを前提として、知らない言葉を推測しながら読むことが必要になります。読書体験が豊富になると、知らない語彙の意味を前後の文脈で推測しながら読む経験を積んでいるわけなので、ある程度の突破力はありますが、読書経験がないと不明な語彙だらけの文字の塊にお子さんは見えるかもしれません。」

 

 

戦記:「現代の大人でも、漢文を読めと言われたら同じ感覚になるかもしれませんね。理社への対応という観点では、なにも読書でなくても、理社のテキストを読み込むことによって語彙を獲得することは期待できると思いますが、読書という機会を利用した方が効率は良いのですかね?」

 

 

笹沼さん:「それは間違いないと思います。理社のテキストと読書を比較するというよりも、読書量が大前提にある、というイメージが正しいと思います。読書ができていなければ、理科と社会のテキスト読んだとしても、そもそも吸収できない、または吸収効率が悪すぎるのだと思います。つまり、身にならない、ということです。」

 

 

戦記:「なるほど。小学校低学年の際に、僕が良く使った言葉で「漢字バリア」というのがあります。漢字を知らなければ、日本語を読めないんですよ。なので娘には小2の冬前に漢字検定5級、つまり小6までの漢字を学んでもらったのですが、これにより娘に流入するテキストベースでの情報量が各段に増加したものと思われます。となると、漢字の次は語彙ですよね。読書によって、語彙を早い段階で獲得したほうが、その後の情報流入が増加することは間違いが無いと思います。」

 

 

笹沼さん:「お子さんが読む文章の中で、知らない語彙の比率が3%くらいがちょうどよいとされています。でも、理化とか社会のテキストは、そもそも固有の専門用語が多いですよね。つまり、科目ごとの専門用語だけでゆうに3%は超えてしまうのですよ。他の部分の言葉、通常に用いられる語彙を当然のように知っていないと、専門用語に対応することができないわけです。そこを読書でしっかりカバーしておくということは、とても大切なことだと思います。」

 

 

戦記:「こう考えると、結構ハードル高いですよね。理科と社会は。そもそも読めてないと、学習にならないことを意味しますから。TOEFLとかGMATと似ていますね。そもそも単語を知らないと読めないし、質問の意図をくみ取れなければ回答もできませんから。」

 

 

笹沼さん:「理科とか社会の専門用語にかかってくる修飾語は、それ自体も日常生活で登場するものではありませんからね。ちょっと難しい言葉が使われますから。そういった語彙に読書で触れておかないといけません。また、語彙そのものを知らなくても、本を読みなれていると、未知の語彙に出会ったときの対処法にも慣れていることになります。この慣れも、理社の学習の吸収効率に大きな影響を与えていると思います。」

 

 

戦記:「娘の発達プロセスを思い出しましたが、漢字を知っていることは大前提としても、熟語、特に対義語とか類義語の獲得に苦労したことがあります。これらの概念は、読書を通じて実際の文章として用いないと、結局概念の獲得まで至らないのでしょうね。」

 

 

笹沼さん:「その通りだと思います。前後の文脈から、未知の言葉の意味を推測するという経験を豊富に積んでいるかどうかが、初見で渡される理社のテキストを読む力に直結してくるのだと思います。これは理社に限らず算数でも同じでして、設問で問われる未知数に対して、前後の文章からの論理構成を把握して求めていく、のと同じことだと思います。算数の文章題を読む際にも、このような推測力は発揮されると考えます。」

 

 

戦記:「語彙を暗記するだけではだめで、それを有機的に使いこなすためには、やはり読書量がものをいうのでしょうね。」

 

 

笹沼さん:「区切られた文章をいくら読み込んでも限界があると思います。ある程度長い文章の中で、前後の文脈をしっかり把握した上で未知の言葉を推測していく、という練習を積むことが読解力の向上に資すると思います。」

 

 

戦記:「読書量を確保するということは、理社のテキストを一人で読んで理解するだけの基礎構築にも良い影響がありますね。」

 

 

笹沼さん:「これは中学受験に限ったことではないのです。その後、中学生活、高校生活、そして大学受験においても求められる基礎力になります。大人になっても同じですよね。ビジネスならば経営関係の本になるかもしれませんし、エンジニアならば技術書になるかもしれません。そういった本を読む際にも、それまでの読書量が役に立つことになります。つまり、低学年の読書はその後の人生を変える経験になりうる、と本気で信じています。」

 

 

戦記:「そうですよね。何年生の時にそういった読書を開始すべきなのですかね。古くて新しいテーマですが。」

 

 

笹沼さん:「できる限り早く、ですね。とはいっても、難しい本を早い段階から読んでいくということではなくて、読みなれていく経験が大事だと思います。まずは読書が楽しくてたまらない、となると強いですね。楽しいからたくさん読んでいる、ということを低学年のうちに習慣化したいですね。簡単でも良いから、たくさん読む、というのが大前提になると考えます。」

 

 

戦記:「中学受験の理科と社会への対応という論点ですと、本以外に何を読むと、意味のあるインプットになりますかね。」

 

 

笹沼さん:「難しい質問ですね。やはり小学生新聞ですかね。それこそ知らない単語が減っていきますから。」

 

 

戦記:「科学雑誌はどうですかね。」

 

 

笹沼さん:「ニュートンとか。一つのトピックで深く書くので、その分だけ知らない単語がへるのでいいですね。覚えやすいし、親しみやすいです。」

 

 

戦記:「そういえば、僕は娘にはニュートンを読ませてないですね。。今気が付きました。」

 

 

笹沼さん:「私も愛読者でしたよ。」

 

 

(終わり)

 

 

 

 

★現時点の立ち位置:
・資源配分比率:中学受験90%、中学入学後10%
①公文:数学K20・国語K100で冬眠【2020年1月から】
②公文:英語JII/上位6%【2021年4月9日から】

 

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Posted by senki