小2/フォトン:入塾説明会に参加してきました
2017年11月某日。
入塾説明会に参加してきました。1.5時間。
結論として、魅力的な内容でした。ビジネスモデルとしても、とても面白い。今年の入塾テストでは、厳しい戦いが繰り広げられることでしょう。
(1)場所
品川駅から徒歩3分の場所にある、貸し会議室。
(2)出席者
フォトンの講師陣。保護者は約30名で満席。大半は母親だが、男性もちらほら。どこかで見たことがある男性も・・・。
(3)結論
入塾テストを受験し、1月4日に郵送で発表される結果を踏まえて考える。
(4)詳細
・中学受験の実績を率で勝負している。去年は、86.7%が御三家早慶に合格。普通は、大手塾ではせいぜい10%程度で、良くても20%が限界。これは、驚異的な数字である。
・フォトンが優れているのは、算数を頑張る副次効果として、キッズBEEなどでも結果を出していること。キッズBEEは65名が受験して、銀メダル2名、銅メダルが20名。3人に1人がメダリストである。
・算数オリンピックのメダル基準は、本当に1個ずつしかない。今年、48名が受験して、ファイナリストが12名。そして、銅メダル2名。つまり、2位がタイ。悔しいのは、金メダルから2点差、銀メダルからも1点差だったこと。メダルは筑駒のように内申点がある学校では評価されるので、得点となる。
・大手進学塾での算数1位は、昨年で通算57名。今年は本日現在で80名近い数字が出ている。
・フォトンは設立10年。当初目標は御三家早慶進学率を80%だったが、これは達成した。次の目標はこれを100%にすることである。
・フォトンのカギは5つ。
①差をつけること。中学受験は、ヨーイドンも、フライングも無い世界。だったら、早く始めた方が有利に決まっている。他の子よりもスタートを早く切ることが、そのままリードにつながる。
②算数強化に徹していること。社会や国語をやっても、合格実績には直結しない。
③オリジナルテキスト。優れた隠し味をばんばん入れている。
④授業と宿題のシステム。
⑤講師力。手前みそだが、我々はプロだ。
・大手進学塾の1~3年の通塾は、ほぼ意味が無い。そして、4年からカリキュラムがスタートし、だんだん負荷があがり、6年生の夏前には苦しくなってくる。6年の夏までが勝負であり、これまでに他者に圧倒的に差を付ければよい。大手は2、3年は大したことをしないし、暇つぶしのレベルである。5年生になると授業時間も長くなる。フォトンはこの真逆を行く。すなわち、学習のピークは3年生。これから、徐々に減らしていく。1~3年生での大手塾への通塾は推奨していないが、4年生以後は絶対に通うようにお願いしている。フォトンの学習量と、大手塾の学習量を合成すると、低学年から6年生夏まで、真っすぐに増加する数直線のイメージ。
・フォトンには通常コースと、飛び級コースがある。これは、全く違うシステム。全く異なる塾が、2つあるイメージ。3年生になると、3~4年生をやることになる。3.5時間の授業である。そして、4年生になると5年生をやり、5年生になると6年生。つまり、これで終わり。あとは過去問演習に集中できることになる。
・中学受験では算数で勝負が決まる。理由は簡単。算数でしか点差がつかないから、である。開成の場合、合格者と受験者平均の4科目の点差は31.3点。このうち半分が、算数の14.7点である。国語、理科、社会は、ざっくり5点くらしか差がつかない。算数で失敗すると取り返しがつかないことになる。算数はすぐには差がうまらないが、理科社会の暗記は、6年後半の暗記で上位層はどんぐりにある。
・算数ができるといいこと。それは、他科目に時間をさけるようになること。そして算数ができると「頭が良い」と子供たちの中でも評価され尊敬されるが、他科目は「がんばったんだね」で終わってしまう。
・オリジナルテキストの優位性。クラスメンバーにあったものを作っている。カリキュラムは無く、生徒の理解度を重視して作っていることが特徴。
・宿題システムは特徴がある。とにかく繰り返す仕組み。
①効率主義
ファックス宿題。赤丸。1日1問ノート。赤丸は、間違えた問題に赤丸をつけるもの。テキストには書きこみをしない、復習できなくなるから。ノートに書く。
②徹底した復習主義
テキストの予習をしてはいけない。まっさらな状態で来てほしい。5回以上、復習をすることになる。
③少人数クラス
12名が最大。1人の講師が見れるのはこれが限界である。この人数を守ることは、フォトンとして絶対である。絶対にこれ以上は増やさない。
④ヒント形式
ああ、分かった!という経験が大事。授業前半では「分かる」ように教え、後半では「できる」ようにする。宿題は自力でできるようになったものを出す。(つるかめ算の例で紹介あり)フォトンでは、クラス全員ができるようになるまでやる。授業ではできたら手をあげて、個別に丸付け。机も独立している。
・忘却曲線の話。当日、翌日の復習が大事。ファックス宿題でフォロー。エビングハウスのツボは、復習が遅れるとそれだけ忘れるのも早い、ということ。フォトンでは忘れた頃をみはからって、やる。単元テスト。そして、年に3回のクラス分けをする大テスト。
・2~3年は、年に8冊の副教材を使う。そして、4~6年生は、大手塾のテキストが副教材になる。2~3年で初見問題に強くなる。
・難関校の算数が難しいのは、初見問題であるからである。これを50~60分で対応しないといけないから難しい。自分がどれだけの引き出しを持っているか、これが勝負。フォトンは4~5年かけてこの準備をする。初見問題のオンパレードである。
・学習環境管理について。実は、めちゃくちゃ拘っている。
①新鮮な空気
大型ロスナイ換気扇で新鮮な空気。フィルターを通している。ここまでこだわっている塾は無いと思う。中に入ると、新鮮な空気に驚くと思う。
②個別の机と椅子
椅子、とても高価なんですよ。小2~6が使うので、サイズ調整できるものにした。
③長時間集中できる照明
800~1,000ルクス。拘っているのは、12席のそれぞれの明るさ。照度計で測定して、端の席でも同じにしている。専門家と協議して、光の波長は4,500ケルビンに設定した。
④独立エアコン
席によって暑さ、寒さ、が出ないようにしている。
⑤湿度は40~60%に設定。
・おかげ様で、去年からフォトンは大盛況である。12月の入塾テストでもう満席。今年のテスト結果は、点数の高い順から入塾頂くことになる。だから、①合格者、②合格者だがキャンセル待ち、③不合格者、の3種類になると思う。
・2年生、3年生は、知識ではなく算数に向き合う姿勢を問う。大手塾には行っていなくても良いが、テストには慣れていないと対応できないと思う。テストは1週間遅れるごとに、1点加点する。150点満点。すべて同じテスト。こどもは1週間勉強すると、1点くらいあがるような成長イメージ。
・入塾頂きたいひと。ともかく、卒業するまで継続してほしい。5年末まではせめて通ってほしい。そして他の習い事よりも優先してくれる人。通塾は40分まで。子どもの体力を奪い、結局続かない。授業に間に合うことも大事。最初の10分が大事なので、これを逃すと付いていけない。
・先日の説明会であった質問だが、計算力は大事。しかし、そろばんはやめたほうが良い。達人の域に到達したならば良いのだが、そこまでの域に達するのはごく一握り。中途半端なそろばんは最悪。実は、暗算は、不正確な上に遅い。そろばんはお勧めしません。危険です。これでダメになる例をたくさん見てきた。
・公文にしても、暗算をさせるようなやり方だと危険である。フォトンでは副教材に公文のドリルも使っている。しかし、我々は公文ドリルの正しい使い方を教えて、その上で公文を使う。公文は使い方が大事。
・キッズBEEの対策は、あまりしていない。過去問はやっているが。ひらめきを勝負した授業をしているので、結果的に、メダリストを量産するのだろう。
・入塾テストの基準は公表していない。今年はキャンセル待ちが多数出ることになりそうだ。テスト結果は、1月4日に一斉に郵送する。1クラス12名の少数精鋭である。途中入塾は無い。ついてこれないから。2年生は4月末まで、3年生は3月末までに辞めたひとがいた場合は、キャンセル待ちで繰り上げるが、それ以後は無し。絶対についてこれない。
★現時点の立ち位置:
①サピックス:上位7%【2017年10月確認テスト】
②公文数学:G教材(=中1)【2017年3月24日から】
③公文国語:FI教材(=小6前半)【2017年9月24日から】
④漢字検定:5級(=小6)【2017年10月15日に5級合格】
⑤トップクラス算数徹底理解編:小2【2017年8月4日から】
⑥きらめき算数脳:小3【2017年10月1日から】
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ディスカッション
コメント一覧
フォトン、気になっていたので、詳しい情報が大変有難いです。ありがとうございます。学習塾もwスクールが、出来る子のスタンダードになっていくのか?と思うと溜息が出てしまいます。ですが、それ以前にフォトンに入れるか否かというハードルが出来ると、益々中受キックオフが低年齢化しますね。私個人は娘に挑ませてみたい気がしますが。。。算数というと男の子優位のイメージがありますが、フォトンは青田買いなので、コツコツ頑張る女の子にも入塾チャンスがありそうだなと思ったりもしています。
個人的には、算盤が引っかかりました。これからまさに、算盤を本格化しようかなと思っていましたので 苦笑
私も行きました。
別の日ではないかと思います。
ほぼ同じ内容の説明でした。
親の手間は、サピ以上に必要になりそうです。
初見に強くなるなんておっしゃってましたが、同じテキストを繰り返すのはどうなんでしょう。また、国語はしたほうが良いと思います。
算数に向き合う姿勢を問う、なんて話ですが、ほぼ落ちるテストになりそうですね。
>nnn-bbbさん
親の手間が大変そうですね。今年はほぼ落ちるテストになると思います。よって、まずは受験ですね。
>ちゃこさん
上位層1%にとっては、サピックスをはじめとした大手塾の1~3年は物足りない内容ですから、このニーズに答えるための塾、という印象です。日本の教育産業の進化は凄いですねw
そろばんに関しても、一つの塾の一つの見方、と考えたほうが良いと思います。僕はそろばんは全く知らないので判断つきかねますが、娘の公文を観察していて思うことは、筆算の途中経過をよくないかたちで省くスタイル(=暗算、というよりも省く、が正しい表現)が定着すると、後々困ることになるのは事実だと思います。
尚、今年のフォトンは超激戦になる筈です。そして、それで良いと思います。競争に負けて、学ぶことの方が多いですから(そもそもその競争に意味があるのか、も含めて)。
去年小1で資料請求をして検討しましたが止めました。合格実績はそこまでよくなかったような・・開成1名だったか。今年は良かったのかしら。
この塾に限ったことではないですが、こういう先取りカリキュラムについて行ける子はそもそも正規ルート(新小4入塾)で御三家合格出来る子ではないかと。
算数が大好きで楽しめる子なら良いですよねー
算盤、、、うちも頑張っているのでショック(><)!
>きなこママさん
そろばんについても、ある一つの意見だと捉えた方が良いとおもいます。。達人になれば良いわけですし。
私も別日に説明会行きました。
本日もほぼ保護者席は満席でした。
内容はほぼ同じでした。
ただ、今回はそろばんについては何も言っていませんでした。そろばんを習わせている保護者に配慮したのかもしれません。
>通りすがりのものさん
コメントありがとうございます。
皆さんからコメント頂いて少々驚いたのですが、一つの塾がそろばんの効用について否定的な見解を示し(且つ僕みたいな個人がそれを記事にしたところで)そんなに影響力ってあるんですかね?
もともと僕は他人や他者のやり方については殆ど興味が無く、自分で一次情報を取得して試行錯誤して納得できる方法でしか娘をマネジメントしない(し、僕自身の人生も同じ)KYなタイプなので、ちょっと驚きました。
しかし、そろばんだろうが、公文だろうが、計算で「精度が低い」のは致命的であることは間違いありません。僕も娘もこれまでのテスト結果で骨身にしみています。そして、この公文の特性、つまり「多少間違えてもいいから早く解け」は初期訓練としては良いけれども、実務といいますかテストの現場では全く役に立ちません。
そろばんも同じで、筋トレとして使う分には良いと思いますけどね。。。そろばんはやったことないので、なんとも言えませんが。
ただ、小数・分数そして計算の工夫の世界において、単純計算を主眼とするそろばんがどの程度まで有効かは、僕も知りたいところではあります。
もちろんです。ショックを受けつつ、算盤をやめる気はないですし達人目指しますよ~!
フラッシュ暗算は右脳を使うので記憶力UP、読み上げ暗算は聞く力と集中力で、単に計算だけではなく勉強に不可欠な能力開発になっています。
あと規則性の問題は算盤を応用して解いていましたので数の性質の問題に強くなってます(それは公文もそうですね)
ただおっしゃるように、暗算で出来てしまうので計算の工夫をする機会がなく、分数はないですし、弱い所をいかに補うかです。記事のおかげで弱点を再確認出来て良かったです。ありがとうございます。
>きなこママさん
つまるところ計算を早く正確に処理することがゴールなのですが、そろばんが分数がないとすると、どこかで補強しないといけないかもしれませんね。
といいますのも、分数、小数、倍数、約分、素因数分解は密接に関わっており、計算の工夫に直結するからです。
僕のそろばん知識は皆無なので、公文と比較して論じるだけの経験がありませんが、そろばんマスターの方から教えて頂きたいところです。
僕の仮説は、いくら単純計算が驚異的に早くてもそれほどには役に立たない、です。なぜならばそんな能力は計算機にやらせれば良いから、出題者もそこは問わないのでは?むしろ、スマートな方法でソリューション見つける方法かな。
とはいえ、単純計算を早く確実にするための訓練は低学年では筋トレとして有効で、その方法論として、公文やらそろばんを位置付けるべきと考えます。