ヨンデミー:取材「大事なのは「お気に入りの一冊」に出会うこと」

2021年03月(新小6)

2021年3月11日(木)。

 

ヨンデミーの笹沼さんとのzoomディスカッションの続きとなります。

 

 

戦記:「なるほど。どういった要素を踏まえて、読書レベルを引き上げるかどうかの判定をされるのでしょうか。」

 

 

笹沼さん:「これはお子さんの”肌感覚”というのが、一番信用できる指標だと考えます。大手塾の国語のテストは、実は、お子さんの読む力を把握するものではありません。前回、「読む力」と「書く力」を峻別して考えることが大事であることを説明させて頂きましたが、「読む力」という意味においてはお子さんが楽しめているかどうかというのがとても大事な指標になります。お子さんが楽しんでいる状況下で、難しいと思っているか簡単だと思っているか、この回答のペース感をみながら判定していますね。」

 

 

戦記:「なるほど。だとすると、ヨンデミーさんとしては最終的にお子さんが身に付けるデバイスがあった方が良いかもしれませんね。読書の最中に心拍数が上がるとか、どれくらい本を凝視しているとか、測定できると面白いですね。」

 

 

笹沼さん:「そうですね、それらは電子書籍だと可能になると考えます。ページをめくる速度とかも、読書の場面によって変わってくることが測定可能になるはずです。例えば難しい情景描写のところは理解するのが難しいからペースが落ちるけど、会話のところは早く進むとか。平均と比べるとどうなのかと言ったことも将来可能になると思いますね。」

 

 

 

 

戦記:「なるほど。下の青いグラフはどういったグラフなのでしょうか。」

 

 

笹沼さん:「青いグラフは、縦軸が本の文字の量、つまり長さですね。こちらは最初は2,000文字ですので、絵本といったレベルです。今では10,000文字ですので、5倍近い成長を遂げたということを意味しています。右側のグラフですが、横軸が本の難しさであり、縦軸が本の長さになっています。青い線が理想的な成長のグラフになっています。このお子さんの場合、実際の線がこの理想的なグラフの下になっていますので、同じレベルの本に対しても、長い本に対して苦手意識があるという事を意味します。そうなったときに、長い文章に対して読めるようにしてあげよう、というアクションとなります。ちょっとレベルを下げても良いので、長い文章を読めることが打ち手となります。」

 

 

戦記:「ありがとうございます。この緑色の線で、急激にジャンプアップしている26冊目があるかと思うのですが、ここで何が起きたのでしょうか。より長い本に対応できるようになった、ということを意味するのだと思いますが。」

 

 

笹沼さん:「このジャンプアップを実現した要素はいくつかあるのだと思いますが、大事なのは「お気に入りの一冊」に出会うことです。これが、大事なポイントですね。この本楽しい!、と夢中になって読んだら、いつの間にか読み終わってしまったという経験をすることで、能力的にも心理的にもハードルが消えていく、そういった瞬間がこのジャンプアップのポイントとなります。」

 

 

戦記:「なるほど!それって、私がブログで書いている「読書の入口の一冊」かもしれませんね。没入できる本に出合うということが、読書経験を深めていくための大事な転換点だと常々考えています。」

 

 

笹沼さん:「はい、本当にその通りだと思います。この没入体験と言うのは大事なキーワードでして、用語でいうとReading Zoneという概念があるのですが、本の内容に没頭して周りの音が聞こえなくなるとか、時間を忘れてしまうとか、そういう状態になっていることを指します。この状態のポイントは、2つありまして、一つは滅茶苦茶楽しい、もう一つは読むスピードと理解力が上がっていることです。つまり、自分の読書レベルを上回る本でも読めてしまうということになります。この状態をつくることが読書レベルを引き上げる上では大事なことになります。」

 

 

 

 

 

戦記:「没頭するのは大事ですよね。緑のグラフの28冊目から40冊目くらいは平たくなっているのは、成長の踊り場という読み方でよいですかね?」

 

 

笹沼さん:「そうですね、これな長さというよりは難しさを上げている局面になりますね。成長の踊り場という観点では、30何冊目から50何冊目くらいまでは、緑の線が縦に動いているのが分かるかと思います。これは、難しい方向性には本を進めていないということを示します。難しさが28の状態で止まっていることになります。同じ難しさの本だが、長い方にチャレンジしていることになりますね。青い線に追いつくことを目指して、また難易度を上げていっていることになります。」

 

(続く)

 

 

 

 

★現時点の立ち位置:
・資源配分比率:中学受験90%、中学入学後10%
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Posted by senki