フォトン算数クラブ:現役小6受験生目線での分析(③テキスト=算数の資質を持たないフツーの小学生向け)
2021年4月4日(日)。
首都圏中学受験市場の「プラチナチケット」にまでブランド化した、フォトン算数クラブ(以下「フォトン」)に関する分析です。
フォトンは少人数制であることもあり、インサイダーでしか分からないことが多いのですが、インターネット上の掲示板には「誤報」が多いのが印象です。入塾テストの倍率が4-5倍ですから、そもそも本当のことを知っている人は少ないと思います。娘は小3~5のフォトンの正規カリキュラムを終了しましたので、現役小6受験生目線で分析することで、少しでも正しい方向性の情報になればと思います。特に、現小1と小2のお子さんは、12月にフォトン入塾テストが控えていますので、参考にして頂ければと思います。
これまでの記事は以下の通りです。
・2021年3月21日:フォトン算数クラブ:現役小6受験生目線での分析(①サピックスとフォトン実績比較 2011~2021年)
・2021年3月28日:フォトン算数クラブ:現役小6受験生目線での分析(②授業料→立地戦略)
さて、今日はフォトンのテキストについて分析してみたいと思います。このフォトンのテキストですが、以下ルールが厳格に運用されています。
①フォトンに所属する先生方のこれまでの塾講師キャリアの全てが投入されて作成されている。
②当該年のフォトン生の算数レベルに合わせて、問題を吟味している。(つまり、毎年改訂する前提である。)
③つまりフォトンの授業を受けていない人がこのテキストを使っても弊害が大きい。だから、「塾代は払うがテキストを欲しい」方でも販売していない。
④テキストの他者への譲渡や転売は「塾の方針として禁止しており、発覚した場合には"断固とした処置"を取らせて頂きます」(=つまり"退塾"ということでしょう)の説明がなされています。勿論、フォトンのノウハウ流出を危惧していることもあると思います。
⑤フォトンはオークション市場やフリマ市場で「フォトン+算数」で監視していると思われるので、出品された場合には直ちに調査が開始される仕組み。
・・・中身はどのようなものなのでしょうか。娘が小2の最初の授業で受け取ったテキストを見た時は、「こんなに薄いのか???」と驚きました。それで授業が進むことで僕も理解してきたのですが、小2~5を経験して言えることは以下の通りです。
(a)直球算数の基礎から難問手前まで、抑えるべき問題が厳選されている。
(b)授業中に解き残しが発生しない分量に調整されている。(サピックスは未消化問題が発生する前提の分量。)
(c)授業の最初で説明して、フォトン生は実際に丁寧にノートを取って理解し、それから問題を解く。そして初見で間違えた問題は「赤丸問題」(あかまるもんだい)として記録されるので、親からみて課題が何か分かりやすい。
(d)フォトンが素晴らしいのは「1日1問」の赤丸問題や、「1日2問」で赤丸問題と他塾(=大半のフォトン生がサピックス生でもありますが)の間違えた問題を復習する仕組みを構築していること。この仕組みがフォトン生の算数定着率を大幅に向上しています。
(e)授業後には「ファックス宿題」(僕は実際にはPDF化してメールで提出していましたが)というものがあり、翌日中に提出する義務が課される。これにより、授業の定着率が上がる。
(f)シラバスもしっかりしています。保護者会で年間予定表が配布されて、効率的に学年+1年の先取りが出来る道筋が示されます。
・・・以上をまとめると、「算数先取りの塾カリキュラムが確立されており、かつ再現性が高い合理的な方法で運用されている」と僕は評価します。娘と僕の意見で一致しているのは
「フォトンは最強の算数塾の一つ」
ということですが、これには条件を付けるべきだと思います。フォトンをより正確に定義すると、以下のような塾だと思います。
「(算数の資質は持っていないが、すべきことをコツコツと進めることができる素直さがあり、先生の話をよく聞いて、且つ同級生たちと切磋琢磨することが楽しい小学生にとっては)フォトンは最強の算数塾の一つである」
ここで大事なのは、「算数の資質」を持つ小学生がフォトンに通塾した場合には悲劇が起きることです。「こんな簡単なことやっていられない」「算数が詰まらなくなった」「すぐに終わってしまって物足りない」といった弊害が予想されます。まあ、そういった才能に恵まれたお子さんの保護者の判断としても、「基礎問題の繰り返しだけならば、家でやった方が早い」というということになります。何名か実例を知っていますが、フォトン算数クラブで物足りなくなった"算数男子"たちは、自由ヶ丘のSPICAに転塾されていくか、算数が得意な父親の下で親塾に励むことになります。フォトンは生徒の追加補充をしませんから、減収になってしまいます。なので、最初からこの点を認識しておいた方が、保護者にとってもフォトンにとっても良いかもしれませんね。
以上を纏めると、フォトン算数クラブという算数塾は、「算数の資質を持たないフツーの小学生を、再現性の高い合理的な方法で、算数の力を伸ばすことができる」塾だと思います。とにかく面白い塾ですよ。なにしろ、娘はフォトンで最下位クラスに落ちたことがありますが、そのときサピックスではα1でしたから。
★現時点の立ち位置:
・資源配分比率:中学受験90%、中学入学後10%
①公文:数学K20・国語K100で冬眠【2020年1月から】
②公文:英語JI/上位6%【2020年12月8日から】
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