ヨンデミー:現役東大生開発の「AI司書」への取材(⑧10年後の「低学年読書市場」)
2021年1月18日(月)。
「AI司書」サービスを展開するヨンデミーの代表取締役/笹沼颯太さん@東大経済学部3年への取材記事を、全9回で連載させて頂きます。中学受験→筑駒時代→東大経済学部でヨンデミーを起業→ヨンデミーで何を目指すのか、といった流れの連載になります。
⑧10年後の「低学年読書市場」
笹沼さん:「読書の重要性が増すことは、間違いが無いと思います。お子さんが学ぶ必要があることは、増える一方だからです。英語、プログラミング、そしてこれからはアートだとか、いろいろなことが求められてきます。では、それら全てを押さえたものは何かというと、本なんですよ! 英語だって、プログラミングだって、本に全部書いてあるんですよ!これは大人になってからも同じで、ビジネスだって、哲学や宗教といったリベラルアーツだって、本から学ぶことができます。戦記さんが経験したMBAもひたすら本を読めというスタイルでしょうし。」
戦記:「本に加えて、ひたすらケーススタディを読むことになります。」
笹沼さん:「何かを読んで、そこから学びを得る、ということで共通していますね。この力が、結局は根本として必要だと考えます。読書が必要と言うよりは、自ら学べる状態になる、ということが大事だと確信しています。」
戦記:「面白いですね。確かに、ヨンデミーというサービス自体は読書を切り口にはしていますが、テキストの読み方として自己学習できる状態にどうやって持ち込むか、ということが本質的な価値かもしれませんね。」
笹沼さん:「はい。もちろん、読書の楽しみ方をヨンデミーでは提供しているのですが、読書を教えているという意識はあまり強くありません。それこそ投資家さんからも、なんで読書じゃないといけないの、なんで本を読まないといけないの、といった質問を受けるのですが、何も本を読まないといけないわけではなくて、情報を手に入れるために主体的に考えるとか、自分から想像していくとか、自分から学びを得ていくとか、そのプロセスが読書の一番の魅力だと思います。もちろん、読書は娯楽の一つでもありますし、心の豊かさにもつながることになります。読書の重要性は、今後も増していくと思います。」
戦記:「同意します。」
笹沼さん:「読書好きな親御さんの下に育ったお子さんが、更に読書をしていくということが、教育格差の原因に繋がっていくことになると思います。読書の入口の機会を得られたかどうかで、その後の人生が大きく変わってしまいます。私たちでは、この問題を「文化資本における教育格差」と呼んでいます。こういった問題は、今後社会として是正していくべきだと思います。逆説的にはなりますが、本が読めれば経済的に厳しい家庭環境にあるお子さんでも学ぶことができます。これを広めることに価値があると思っています。」
戦記:「おっしゃる通りですね。私もSenkiChatというslackを使った匿名チャットサービスを展開していて、慈善事業として寄付もしているので情報も入ってくるのですが、結構謎なのが、どれだけお金が無くても図書館に行けば無料で本が借りられるのに行かない御家庭も一定数いる、ということです。」
笹沼さん:「そうなんですよ。」
戦記:「タダで、たくさんの本を読めるはずなのに、、、読まないわけです。学校の図書館にだって本はあるわけですし。まさに家庭内の環境の格差が、そのまま学習意欲にも連鎖していきます。もちろん、経済的に厳しい家庭環境に置かれて、それこそ親の手伝いをしないと生活が回らないようなお子さんが図書館に行けないという問題もありますが、中学受験の高額な塾代を平気で払えるような御家庭でも、お子さんが読書をしないで苦労されている親御さんはたくさんいます。」
笹沼さん:「家庭内の文化資本の問題なのでしょうね。その状態ができていないのに、積極的に中学受験の塾代に投資をしたとしても、なかなか厳しいと思います。私たちは、読書という文化資本を民主化し、広く世の中に実装したいと考えています。どのような家庭環境のお子さんでも、読書にアクセスできる社会にしたいと考えています。読書するきっかけを配りたい、という想いが強いです。」
戦記:「中学受験にしても、低学年の過ごし方で大勢が決まる、という世の中に変わりつつあります。」
笹沼さん:「現実として、早期化していますよね。」
戦記:「SenkiChatでいろいろな親御さんのリアルな悩みを聞きますが、小4とか小5で国語ができなくて、文章を読んでも何が分からないのかが分からない、という辛い状態になっているお子さんも多いです。深堀りしていくと、やはり低学年時代の読書量が不足しているケースが多い印象です。」
笹沼さん:「塾は、その場限りの解答テクニックを教えてくれる場所であり、それが役目だと思います。しかし、読書経験の多寡がその後に影響してきてしまいます。」
戦記:「あと多いのが、親子で日本語を話しているのだから、我が子が本を読んで内容を理解しているだろう、という仮説は間違えていることが多いですね。」
笹沼さん:「日本語が話せるのだから国語もできるだろう、という感覚の親御さんは多いですね。社会全体の問題としても、国語はテストのための科目という位置づけだったりすることも問題です。でもそうじゃない。思考力の基盤としての国語力が大切だと思います。」
(続く)
★現時点の立ち位置:
・資源配分比率:中学受験90%、中学入学後10%
①公文:数学K20・国語K100で冬眠【2020年1月から】
②公文:英語JI/上位10%【2020年12月8日から】
③算数:塾カリキュラムでオントラック
④語彙:パス単準2級+言葉ナビ下巻
⑤漢字:小5の深堀り中








ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません