小4/早稲アカ:2019年12月/小4トップレベル模試(保護者会備忘録)
2019年12月8日(日)。
成績は全く気にしません。良い経験になるテストです。早稲アカには感謝の言葉しかありません。
=quote=
1. 日時:2019年12月8日(日)1430-1600
2. 場所:お茶の水
3. 出席者:保護者がざっと60-80名
4. 結論:
早稲アカのNNは良いと思う。
サピックスは資質を持ったお子さんが集まる塾。
早稲アカは、ふつうのお子さんを鍛えることができる塾、かな。
5. 詳細
(1)総論(NN桜蔭算数のMr.マツダ先生)
夏のトップレベル模試では、得点率は30%程度だった。
極端なことを言うと、算数の0点は有りうるようなテストである。
クラス分けに使うテストは難易度が分かれている。
しかし、今回のトップレベルは、優秀生の中で差をつけるもの。
偏差値60くらいだと歯が立たない。
早稲アカがやりたいのは、上位層に差をつけたい。
綺麗に分散している分布になっている。
小4のトップレベルが本気で戦うための、唯一に近いテストである。
夏のトップレベルでは算数は平均23点。0点がそれなりに存在する。こういうテストだと知らずに受けていると、ショックを受けるかもしれない。
一般的な小4のお子さんはお出かけして、楽しく過ごしているであろう。
そういう日曜日に戦っているだけで、お子さんは頑張っていると考えて良い。
国語については、0点は出づらい、中央の35点くらいが山。
算数はこういうテストでも60点を超えてくる子たちがいる。
天井を取り払うことにより、思う存分、実力を発揮できるお子さんがいる。
将来のお子さんが求められるのは、答えの無い問いに対し最適解を出す人間。
これからは、知識ではなく学力の三要素に重きを置いた教育が必要である。
大学入試改革も大きく動いている。英語の民間テストは見送り。記述についても再検討。
大学入試改革自体も、大きく動いてしまっている。確定情報としてお伝えできることが無い。
こういう状態になっている。
今日、最もお伝えしたいことは、組分けテストnot=最難関校の入試、であるということ。
桜蔭ジュニアでも言ったが、そろそろ「組分けテスト」はやめたらどうかと。
組分けに拘ろうとすると、後半を捨て問にして、前半に時間をかければよい。
しかし、最難関対策は全く違う。捨て問なんてない。
よって、それぞれの準備は全く異なるアプローチとなる。
組分けテストは定着度を計測するものであり、大事ではある。
しかし、最難関校は違う。桜蔭の算数は「初見の問題に対してどう対応できるか」で決まってしまう。
これをぶつけられたときに、どう対応できるかで決まる。
小5までは組分けテストも注視して良いだろう。しかし、その後は、最難関校の入試を意識した問題を解くべきである。
本日は、スピカの本を受験生には配布する。衝撃的なことが書かれている。
早稲アカの通常クラスで話をすることと、今日話をすることは違う。
世の中のインターネット情報は、最難関校を意識した場合、玉石混交である。
今日は最難関校の入試へのスパイスである。つまり、今日話をしたことを中心にして良い子さんは、ほんの一握りだと思う。
クラス維持を目的にすると、圧倒的に反復と暗記が必要となる。「興味、関心、思考力、記述力、賢さ、教養」ではなくて。
目の前のテスト対策は、難しい問題を省けばよい。
軽視するつもりはなかったとしても、子供は自分の成績が悪かった時の親の表情を見ている。
なので、このバランスを少なくとも平行の状態に持っていくべきである。
難しいのが、「反復、暗記」を軽視するのも違う。
算数においては、小4と小5で中学受験に必要となる85%をカバー。
両方を大事、という平行のスタンスに持って行って欲しい。
短期的には、目先の成績を犠牲にする覚悟も必要かもしれない。
いつも5位の女の子のお子さん。小1から。しかし、それが基準になってしまう。
50位になると、成績が落ちた、と思ってしまう。それは違う。
最難関の問題は、時間無制限でも合格点に辿り着けない世界である。持ち込みをしても解けない。
反復や暗記では戦えない。
小5を迎えるにあたり注意してもらいたいこと。
学習のルーティン化。
理社の学習方法の確立。
「量(反復)でカバー」からの脱却。質に拘って欲しい。量でカバーしようとすると、この学習方法では限界に達する。
全科目に必要、かつ将来も必要となる「情報抽出整理力」「多面的思考力」「論理的思考力」も養うべきである。
適切な競争環境の確保。得点以外の競争も大切である。得点以外でも、「あの子は授業中真面目にやっている」とか。子供たちは、「あの子ってさらっと問題解いちゃう」ようなことを見ている。
柔軟な対応。適切なアドバイスを得られる環境の確保。
バランスを取ることが大事。塾内模試の成績をあげるのも大事。「式や図を丁寧に書く」。しかし、スピカの本には「これは駄目だ」と書いてあるので注意して下さい。これは人による。
スピカの本に書いてあることは、読み物として良いが、大事なのは「基礎を徹底する」という方向性だけでは駄目で、そうではない方法も必要ということ。
我々はNN桜蔭として、「当たり前のことを当たり前にできるようにしておいて欲しい」と言っているが、「見たことが無い問題に対してはNN桜蔭として対応します」としている。
基礎が無いお子さんに、思考力問題を解かせても意味が無い。
女子の算数で最も難しいのは、桜蔭である。
渋幕であろうが、桜蔭だろうが、豊島岡であろうが、女子として求められる算数能力が異なる。
きっちりと丁寧に論理を積み上げる力。
作業のトレーニングと、解法のトレーニングは分けても良いものである。
復習でやらせすぎても、過負荷になる。
「頭の中で解法を考える」。これも、本当は「作業しろ」ということになるが、頭の中で考えるべきことは考えるべき。
知るべきは、「自分の頭の中で処理できる限界を知ること」である。この処理量を超えた瞬間から、書き始めるというのが正しいアプローチである。
お子さんの中には、解説しようとすると怒り出すお子さんもいる。そういうのは良いお子さん。
今日のテストでは、どれだけ悪戦苦闘をしたのか、それを見て欲しい。
このような問題にぶつかったときに、目を輝かせるお子さんは伸びる。我々はこういう子を伸ばしたい。
一方で自分の能力を超えた瞬間に手が止まる、というのはこれまでのトレーニングの問題。いかに経験を与えるか、で成績は変えることができる。
小5の1年間で、こういうトレーニングをしてあげて欲しい。
算数の講師として一番困るのは、思考が止まってしまって手が止まってしまうお子さん。
一手目を出せる子。こういうのが強い。
早稲アカは合格実績を伸ばしてきている。
早慶でもMARCHで全国No.1。
私は入社したときは高校入試を担当していた。開成高校は5名。サピックスは55名。これを追い抜く、と宣言したときは信じてもらえなかった。開成高校については追い抜いた。
開成中はついに100名を突破した。
合格率に拘っている。掲示板合格率よりも10ポイント以上は高い。NN開成は45.9%、NN筑駒は34.5%。NN桜蔭の累積は67.5%(2016~2019年累積)。桜蔭は昨年の数字が悪いとかそういうことではなく、累積にしている(戦記コメント:実際に2019年は悪かったのかもしれない)。
なぜ合格率が高いのか。それは合格までの道のりがある。マイルストーンがある。切磋琢磨できるライバルがある。
サピックスも志望校別がある。サンデーサピックス。しかし、これは校舎ごとなので規模が小さい。
しかし、早稲アカの場合は、NN桜蔭では一か所の拠点実施。つまり、NN桜蔭は5クラス。開成は8クラス。
つまり、お子さんからしたら、立ち位置がとても分かりやすい。同じ志望者の
早稲アカはNNについてはとても拘っている。暑苦しいかもしれないが(笑)。
(2)国語(中学受験国語課の責任者であるMr.ホンダ先生)
今日の問題は、トップレベル模試。60/100点分が記述である。予想平均点は、40点くらいではないか。
60点取れてたら、立派である。通常の6~7割取れて当たり前のテストとは全く違う。
今回の出題から見えてくることを説明する。
漢字、言語知識、文章読解は国語の柱。漢字についてそれぞれみると、配当学年が分かる。小3まで、でる。
1,026字あるが、その枠組みを無視する学校もある。中学や高校についても、「読める」ことを要求するものもある。とはいえこれは例外。
雙葉は面白い。同音異字や同訓異字で悩ませて難易度を上げるパターン。
今日の問題のパターンは、1,026字の枠組みは守るが、そもそも語彙として難しい、というものである。熟語として見た時に、語彙として難しいものである。桜蔭はこの手の問題が多い。遺物、茶化す、訳知り顔、資質。
ことばの面。今日は例えば、「とんきょうな」。文脈の中での意味を問うものは、定番になっている。
栄光学園の「いみじくも」。
中学受験では、和語、が良く出てくる。やおら、あどけない、とらざるをえない、ぎこちない、神妙な、など。
ことばに対する対策とは何か。「最近の子どもは星空を見おろします」。
斜めの会話の不足。日常生活で実感をもってことばを付けることに注力してもらいたい。子供は横軸、両親は縦軸。つまり、以心伝心が成立してしまう軸。斜めになると、前提知識が通用しないような相手である。例えば、おじいさん、おばあさん。または、御近所。地域にいる大人。「自分に無い前提をもった大人」と話をする経験が不足している。こういうところを大切にすべきである。
冬至だと、かぼちゃを食べて、ゆず湯に入る、とか。
記述問題。聞かれたことに対して、答えていないケースが多い。設問を抑えることが大事。
大抵は、問題の直前に書かれていることを抜き出し、「から」を付けると答えになる。しかし、深く突っ込んで読み取れていないと、説明が成り立たないような問題にしてある。情報を各所から引っ張れる力を、今日のテストでは試している。
開成中。流産をした女性の気持ち。「それでいながら、翌朝からもかやの木の味噌漉しを使うのはやめなかった」とは、澄子のどのような想いを表しているか、説明しなさい。
今日の設問の最期の問題は、桜蔭を意識している。桜蔭の、「エンジははじめのころ、永代橋を渡ろうとしませんでしたが、最後の場面では知恵を一緒にわたります。なぜ、エンジは、渡ろうという気持ちになったのですか。エンジにとって永代橋の向こうとはどんなところであるかを踏まえて説明しなさい」。橋の向こうの風景も暗示しないといけないもの。
(3)今日の算数の出題について(Mr.マツダ先生)
予想平均点は35点程度。
筑駒の出題傾向を見て欲しい。いわゆる、ナントカ算の出題は無い。桜蔭でも似たような傾向がある。
つまり、もれなく無駄なく学習するというのとは、違う学習方法が必要となる。
今日の大問2。試しに、ペンやノートを使うことなく、考えて欲しい(笑)。要は間の数の考え方が使える。
「こういう問題をできる子にしたい」。頭を抱えて手を動かさないのではなく、一手目を打てる子。決まった解法があるのではなく、その場で考える。つまり、「例えばこの場合はこうだろう」という発想。思考力とは、「試行錯誤を続ける力」である。ナントカ算はゴールが決まっている。しかし、難関校の場合は、スタートを切るタイミングでは、ゴールは見えない。ゴールが見えない状態で、試行錯誤するを重ねていく必要がある。
大問4。「この問題は、ぜひ解いてほしい!解いてほしいんなあ!」。これは、まずは作業の総量を推定するところから開始する必要がある。しかし、この作業量をテスト時間で出来ないことに気が付く。48回作業することはできない。しかし、そんな48回も作業させるはずないじゃん、となる。ここで、気が付かないといけない。作業の総量を想定し、そこから着眼点を探すお子さんになって欲しい。この問題も一手目が置けるかどうかが大事である。1だったら、2だったら、と思考を深めていくことになる。
これは成功体験があるお子さんしか分からない。目の前にあるカリキュラムをこなしつつ、こういう問題に10~15分を使って考えることをスパイスとしてまぶす必要がある。
私は小1~2も担当しているが、保護者も掛け算九九に期待していない。こういう試行錯誤する問題ばかりやらせて、経験値を与えている。
試行錯誤と行き当たりばったりは異なる。試行錯誤は、本来的に物事を考え作業をしていくことである。
今回のテストでは子どもたちの様子が良く見えると思う。どうやって、お子さんが戦ったのかを、親として見てあげて欲しい。
今日はトップレベル模試なので、とんがった話をしている。しかし、早稲アカはいろいろなお子さんをターゲットにしている。世の中一般には、正しい情報と正しくない情報が混ざっている。あなたのお子さんにとって何が正しいのか、一緒に考えていきたい。
=unquote=
★現時点の立ち位置:
・資源配分比率:サピックス50%、中学入学後50%
①公文:数学J/上位0.3%/東京都29位【2019年1月29日から】
②公文:国語K/上位0.3%/東京都16位【2019年10月26日から】
③公文:英語GII/上位86%【2019年12月4日から】
④算数:塾カリキュラムでオントラック
⑤語彙:パス単5級+言葉ナビ上・下+ことば1200
⑥漢字:小4を深堀り完了、宝物を探す日々
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