RISU算数:RISU算数 in コロナ期間への取材(総集編)
2020年7月16日(木)。
RISUさんへの取材の総集編です。以下に纏めて、記録しておきます。
(1)経緯
2020年2~5月はコロナでいろいろな影響がありました。中学受験界も例外ではありません。外出自粛要請が出たことにより、学校や塾が閉鎖され、家庭学習が基本となる事態が発生しました。
RISU算数さんはオンライン教材であることから、Beforeコロナ/Afterコロナで貴重なデータをタブレットから取れたはずです。この仮説に基づき、2020年6月19日から7月14日にかけて、「コロナ期間中に何が起きたのか」について、今木さん(RISU Japan株式会社代表取締役)にオンライン取材をさせて頂きました。
(2)取材内容
5つの質問をさせて頂き、御回答頂きました。
■戦記:質問①
コロナ期間中、RISU算数のユーザーさんで、
■RISUさん:回答①
=quote=
先取りや理解が加速したご家庭の特徴は大きく2つありました。
(1)毎日決まった時間に「RISU算数」タブレットへのアクセスがあること
つまり、自宅環境下でいち早く自分に合った学習リズムを確立し、環境に適応できた御家庭です。学習に充てられる時間自体はたっぷりある環境下であったこともあり、これができたご家庭は、今までより+30~50%といった幅で学習スピードが上がっています。RISUでは元々持っていたデータから、夜学習よりも朝学習とアドバイスをしていたのですが、そこに限らず、ご家庭の生活リズムやお子様の性質に合わせた学習タイミングと学習時間を見つけらることが肝要だということを改めて痛感する結果となりました。
一方で、あくまでも「学校で受けていた集団授業通り」の時間割で取り組むことにこだわってしまったご家庭や、学習順を学校のカリキュラム通りにするようおうちの方が強制的に介入してしまったご家庭は、残念ながら「成功」と言えるようなデータは取れませんでした。
(2)タブレットに配信される解説動画を最後までしっかり見ること
「RISU算数」の場合は特に、お子様一人ひとりの弱点を補強する目的や、つまずきを解消する目的でタブレットに直接解説動画を送っています。特に休校期間中は時間が十分にありましたので、そこを有効活用して解説動画をじっくり咀嚼するスタンスを取ったご家庭の強さが際立っています。
今までの塾や学校では、子どもが自ら求めずとも先生が目の前で丁寧に解説をしてくれていたんですね。ただ休校期間はそういった学習のフォローアップが格段に減ってしまいました。だからこそ、こちらがベストなタイミングでお送りする5分前後の解説動画だけでも最後まで視聴しておくことがポイントになっていました。よって、「解説動画を視聴して理解を深める時間」を、焦ってひたすら問題を解きつづける時間に替えてしまっては意味がありません。
しかし、実際には視聴を途中で打ち切ったり、さらには解説に触れることさえ拒否してしまったりしたご家庭が多く存在しました。
=unquote=
■戦記:質問②
RISU算数の新規申込者数と解約者数は、
■RISUさん:回答②
=quote=
地域差はあまりないのですが、新規申込・解約ともに、高学年(特に新6年生)の子どもがいるご家庭の動きが顕著でした。
ご存知のように、コロナウイルスの影響で、学校だけでなくほとんどの対面形式の塾も止まりました。それを受け、駆け込みでRISU算数を申し込むご家庭が多かったんですよ。しかし、そういうご家庭は塾が再開したらすぐに解約してしまいましたね。そもそも子どもの学習状況や最適な学習スタイルを考えて「RISU算数」を選んだわけではないのでしょうから、このような結果も仕方がないと言えます。とはいえ、正直弊社としては短いお付き合いになってしまって切ない気持ちもあります。。。
とにかく教育業界的には、子どもの体力や精神力が低下していることが大きな問題になっていますね。コロナウイルスの影響で学校が休校になったこともあり、多くのお子さんの生活リズムが崩れています。特に「RISU算数」は、決まった時間にこの問題をやらなければならない、という強制力がほとんど働いていない教材で、勉強の時間や学習量を子どもが自分自身で調整する自己管理力が強く求められます。
逆にいえば、「RISU算数」に取り組む習慣をつくることは、子どもが本当の意味で良い学習リズムをつくるきっかけになると思っています。
家庭での生活リズムと学習リズムづくりは今後とても重要になってくるんです。中学受験を視野に入れているご家庭ならなおさらです。我々としても、そうした自学のリズムが重要視される教材を提供している身として、リズムづくりの重要性は何らかの形で啓発していきたいですね。
=unquote=
■戦記:質問③
コロナは第二波、第三波も予想されます。RISUさんはオンライン学習の草分け的存在ですが、保護者の方に対してお子さんの学習管理についてどのような注意をすべきと考えますか。
■RISUさん:回答③
=quote=
RISU会員の学習データでは、コロナウイルスが猛威を振るいはじめて以降、学習時間が後ろ倒しになってしまっているご家庭が多いです。全体の約20%が、以前に比べて遅い時間に学習しています。
私の本の中でも書きましたが、夜よりも朝に勉強をする方が学習の効率が良いことが分かっています。データでは朝型の子どもの学習スピードおよび継続率を100%とした場合、夜型の子の学習スピードは73%、継続率は48%となっているのです。夜型の負の影響、恐るべしです。
このような夜型の危険性について、私たちは以前より強く主張してきました。しかし夜型の子どもはこの期間で急激に増えてしまい、さらには長期的に見て子どもの学習の生産性が低下していくことを危惧しています。
したがって、子どもの学習管理としては、生活リズムを整えて「朝に勉強する」習慣を身につけさせてあげることが重要です。1日の始まりが乱れてしまうと、それ以降の時間帯もすべて効率が悪くなってしまいますから。
最初から朝に長時間勉強をさせる必要はありません。まずは朝起きてから5分でも10分でも、学習に取り組む習慣を身に付けておきたいところです。
また、子どもの学習管理にあたっては、お手本となるべきおうちの方自身の生活リズムを整えることが必須です。リモートワークなどが続き、運動不足や夜更かしなど、特に大人でも今の時期は生活リズムも乱れやすくなっています。
ですから、家族全体で生活リズムをつくることができるといいですね。みんなで朝活をしたり、家事を総出で行うなど、ご家庭でできることはたくさんあるはずです。
大人も子どもも、会社や学校で管理されていた規律がなくなってしまいました。アメリカではリモートワークをしている人の4割以上が飲酒をしていたという結果も出ているそうです。大人が率先して規律正しい生活を行っていくことで、子どもに朝型勉強の習慣を身に付けさせ、より効果的に学力をアップさせてあげましょう。
=unquote=
■戦記:質問④
今後、対面授業を主とする塾と、
■RISUさん:回答④
=quote=
これは、私の個人的見解で特にデータはありませんが、日本の場合だと、対面授業とオンライン学習は、即座に競合や補完関係にはならないと思います。というのも、これらが補完し合うのは、IT技術が教育のみならず、社会に広く浸透している場合においてのみだと思うからです。
そもそも日本では、コロナ禍でのオンライン授業の質もばらばらでした。中国ぐらいIT技術が進んでいなければ、対面とITが相互補完関係にはならないでしょう。中国では小学校が全面的にオンラインに切り替わるなど、IT技術の進展がめざましいです。それぐらいであれば競合なり、補完なりということが可能だと思います。一方、日本では、コロナ禍においてオンライン授業はただ利用者数が増えただけですね。塾側も基本的には、今回のコロナ禍での退会などはイレギュラーだと考えているようですし。
では、日本ではITがそのような状況であるから、現行の対面を中心とした塾が盤石かといえば全くそうではない。そもそも塾なんて、窓のないところで飛沫感染の危険がある集団授業を数時間行うわけですから、完全に感染の温床です。ITに完全に頼ることなく、そしてこうした集団感染のリスクも下げるとするなら、もう個人指導しかなくなります。ですから、中学受験などの個人指導は増えるでしょうね。その結果として、地域によって受験対策の差というのはさらに広がっていくかもしれませんが、ITが十全に普及していない現在では致し方のないことだともいえるでしょう。
いずれにしても、オンライン塾と普通の対面方式の塾について、それぞれの費用や安全対策、対策費用などを総合的に考え、よりお子さんにマッチした教育をおうちの方がアレンジしていく必要はあるでしょうね。
ですから日本では、オンラインと対面授業が競合する、というよりはむしろ大人と子どものチームプレイによって、そういう状況に対応していく力が問われるようになるのではないでしょうか。
補足になりますが、The Bridgeでも紹介された中国の音楽教育アプリをご紹介させてくださいませ。
・楽譜のアプリで音を間違えたら勝手に指摘して楽譜も自動で進んでいくのがストップする
・それでも直らなかったらどこをどう直したらいいか指摘してくれる、ここまでをAIで自動化
・著名な音楽家も支持し普及
こういったアプリにテクニカルなところを任せ、より感情表現など応用面に人間が関わる、こういったすみ分けを念頭に置くようなサービスが各教科・学年で存在感を発揮すると、世の中としても変化を実感できるようになると考えます。
=unquote=
■戦記:質問⑤
今回のコロナ状況下を踏まえて、RISU算数のプロダクトはどのように進化していくとお考えでしょうか。決まった時間に一定時間を行うというサイクルが有効だと思っていても、嵐のような日常生活で実行するのがなかなか難しいユーザーさんもたくさんいるようです。
■RISUさん:回答⑤
=quote=
これまでで一番難しい質問ですね・・・。
コロナの状況下では、良くも悪くも日本より海外にヒントが多いと考えています。
二か所の例を挙げますね。
まず最初に、以前の質問への回答でも挙げた中国。コロナ禍においては、政府主導でオンライン化が進むなか、大手教育サービスも無償サービスを活発に提供しました。今は、「今後それらがどのようにビジネスになっていくのか?」という視点でベンチマークしています。
例えば、4つ目の質問を頂いたときにピックアップした音楽のAIサービスなどは、将来「当たり前」になっていくべきです。少なくとも教師が主観で採点をしたり、非科学的な学習プランを立てたりするようなことはどんどん無くしていく必要があるので。これからの世界の教育をリードするのは中国なので、経済の中心地である上海にいる人たちとは定期的に連絡を取っています。
そして、言うまでもなくシリコンバレーです。我々で言うと、RISU JapanよりもRISU USの方がコロナの状況下ではより大きな変化に直面しています。カリフォルニア一帯はロックダウンを続けているにもかかわらず、感染が拡大しつづけており、学校再開の目途も立っていない状況ですから。
RISU USは、家庭学習ではなくアフタースクール(≒日本での学童)での塾形式ですので、半ば強制的にオンラインに完全移行させられたんです。その背景として、ロックダウン後にいち早く完全オンライン化を実施したスタンフォード大学の例などがありました。
一方で、日本では東大・京大ですら手を打つのが遅く、オンラインへの移行レベルも稚拙なものでした。日本にはインフラ面・体制面での「備え」がなかったために、日本全体で教育のデジタル対応は極めて後手に回っています。そこにRISUとして新しく価値のあるサービスを提供する意義が生まれてくると思います。
ご質問にあるようなタイムマネジメントなんかは、既に社会人分野ではアプリケーションによる管理が進んでいますので、さらに誰もが使えるようなソフトが現れて、親子の学習ペースのメンテナンスができるようになるといいですね。
ちなみに、内容を具体的に書いてしまうとマネされたりするリスクがあるのですが(笑)、現在、同時並行で3つのR&Dが動いており、そのうちの1つは「英語」の可能性が高いです。RISU算数と同様、これからも教師の経験や思い込みに左右されるサービスではなく、科学的な根拠を持ったものをRISUが出していくつもりです。
(終わり)
=unquote=
(3)所感
改めて取材内容を読み返して思うことは、以下の通りです。
①日本の教育産業へのIT導入が遅れている。
②日本におけるコロナ期間が(幸いにも)限定的だったことから、(不幸にも)教育産業を革新するほどのムーブメントにならなかった。
③家庭学習の効率性は朝型かどうかでほぼ決定する。
中学受験に参戦する未就学児から小6の保護者の方は、以上ポイントを考えた上で、令和時代の中学受験市場を泳いでいく方法を考える必要があると思いました。
RISUさん、取材させて頂きありがとうございました!
★現時点の立ち位置:
・資源配分比率:サピックス70%、中学入学後30%
①公文:数学K20・国語K100で冬眠【2020年1月から】
②公文:英語HII/上位45%【2020年5月13日から】






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