コノ塾:公立高校を目指す「個別指導 コノ塾」への取材 / ④今後10年間で公立高校受験業界で起きること
2022年3月5日(土)。
現在、世界的にEdTechの進化が加速しています。中学受験市場は極めてニッチな市場ですが、実は、「日本における公立高校受験市場」は大きな市場です。この市場において業界を革新するプレーヤーが出現しつつあります。
2019年11月に設立され、大型資金調達にも成功した、株式会社コノセル。「コノ塾」というブランド名で、公立高校向けの塾を展開しています。
今回、「コノ塾」を率いる田辺理(たなべ さとる)CEOに取材してきました。
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④今後10年間で公立高校受験業界で起きること
田辺さん:「アプリのようにテクノロジーが入るのは必然でしょう。本当の問題は、アプリでも紙でもいいのですが、使っている教材が生徒さんに合っているものかどうか、そして、使いこなしているか、ということです。なぜかというと、実はやるべきことは皆分かっているのに、それをやり切れていない。ここに教育の本質的な課題があると考えています。そして、やり切るためには見える化が大事になります。そのため、テクノロジーを使うのは当然です。テクノロジーを使いこなし、実際に使える教室とそうでない教室とで、実績に差が出てくるはずです。テクノロジーの進化は続き、先生含めた労働人口は減少してしまうので、避けては通れない話だと思います
あとは、他の企業が開発したアプリを使って自塾に導入するスタイルと、弊社のように独自にアプリ開発も教室運営も行うスタイルでどちらがいいか、ということかと思います。
古くから本当に強い塾は、教材も自前で作っているのがメインだと思います。サピックスも、鉄緑会も、公文もそうです。先生たちのやりたいことがあり、それをやり切るにはオリジナル教材が必要になる。この歴史がある中で、我々のように、デジタルでも自分たちで作っていく、そんなプレーヤーが存在しても良いのではないかと考えています。」
戦記:「自前でやった方が良いですよね。というのも、汎用的な内容で良ければ、それこそ書店に行けば参考書なんていくらでも買えますし。」
田辺さん:「はい、その点はご指摘の通りだと思います。あと、外部アプリを自分たちで使いこなせるかという課題もあります。教室でいくつものアプリを使っていると、管理が大変です。そもそも一つの教材をやりきるのが難しいのが現場の実態ですので、自社開発してでも、やり切らせられる体制の方が学習成果につながるのではないか、と思います。」
戦記:「勉強って、やり切るかどうか、それが一番大事ですよね。」
田辺さん:「そう思います。シンプルだと思います。10年というスパンにおいては、紙の教材がデジタルに少しずつ変わっていく。その裏で本そ当に重要なのは、そもそものカリキュラムが優れているのか、そして、最後までやり切らせることができるのか、これが問われることになると思いますね。」
戦記:「やり切らせる、という観点では、教室という箱が無いと難しいでしょうね。」
田辺さん:「そういう生徒さんの方が多いと思います。」
戦記:「冒頭に申し上げましたが、私自身、リモートワークにて1日中全力で働け、と言われたらきついですね。自宅ですと誘惑も多いし、だらけてしまいます。大人でもそうなのですから、多感な中学生はなおさら大変だと思います。そこの箱に行き、滞在する時間は集中して取り組む。これは大事だと思います。」
田辺さん:「その通りだと思います。なんでもDXという風潮がありますが、私達は自社での教室運営にはこだわっていきます。それが、最後までやり切る、ラスト・1マイルへのソリューションだと信じるからです。」
戦記:「良い発想があっても、最後まで届くかどうか。これが大事ですよね。」
田辺さん:「Amazonが自社倉庫の運営にこだわったように、リアルな接点に徹底して責任を持つこと。これがテクノロジー全盛の時代でも変わらず重要だと思います」
戦記:「取材のお時間を頂き、ありがとうございました。首都圏中学受験市場は4万人のニッチな市場ですが、日本の大多数は公立高校受験をするのですから、今回の取材から私も学ばせて頂きました。」
以上
(連載終わり)
★現時点の立ち位置:
①公文:英語KII、数学K、国語J
②英単語:パス単準1級を初回暗記中
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