中1/僕の読書:『勇者たちの中学受験』(おおたとしまさ)のレビュー

2022年11月(中1)

2022年11月20日(日)。

 

勇者たちの中学受験』(1,650円 / おおたとしまさ)。

 

結論として、良著です。特に「解説」が素晴らしい。同じ2022年組だから分かりますが、リアルなことが書かれているので、良くも悪くも「3家庭を反面教師として学ぶ」ことができると思います。

 

とはいえ、実は、おおたさんが取材を通じて書いていないこと、いや、取材を通じて認識すべきだが、おおたさんが見落としていること(※専門家ゆえに視野が狭い)が大事なように思いました。

 

以下、おおたさんが見落としていることを列挙しておきます。以下視点を持ちながら読むと、おおたさんの『勇者たちの中学受験』での取材内容を深読みできると思います。

 

 

(1)ゴールを間違えている

3家庭とも、中学受験合格をゴールとしていたことが共通点だと思いました。僕が読んだ限り、「中学受験合格後の世界」に時間投資をしていない。また、「中学受験終了後に通用するような学習方法を確立するために、中学受験を活用する」視点はゼロだったように思います。特に、エピソードIIはまさにそれ(算数で途中式を書かない)。中学受験のゴールは、「中1の1学期中間テスト(=5月)」なんですよ。この視点を持たずに、目の前の合否を追うのは、本当に危ないです。

 

 

(2)親の関わる時期を読み違えている

「カルト化する中学受験」(p.227)において、おおたさんは力説。

 

=quote=

この際、はっきり言おう。中学受験は親次第だなんて、親を競争に駆り立てるためのまやかしでしかない。水崎さんは身をもってそれを証明してくれた。

 

無知につけ込み、冷静さを失ったところでその場しのぎにすぎない解決策を提案する。藁にもすがる思いで、溺れる者は手を伸ばす。それをくり返すうちに、まんまと洗脳が完成する。その手口はまるでカルトだ。

=unquote=

 

と記載がありますが、塾業界の批判に終始しているだけで、深堀りが足りていないと思います。これには理由があり、太田さんをしても、現在の以下の構造が見えていないようです。

 

中学受験の低学年化に伴い、

 

a)年長~小3:親が90%、子が10%の時期(→親の家庭学習でのマネジメント次第)

 

b)新小4~小6:親が10%、子が90%の時期(→子の自律走行が基本)

 

という構造になっています。なんでも言いますが、令和時代の中学受験は低学年時代の過ごし方で大勢が決定しています(特に御三家受験市場は、新小4からの下克上は不可能ではないが、大変に厳しい)。

 

おおたさんが批判しているのは、b)の時期について「中学受験は親次第」であるという論調に対してであり、低学年時代を分離していないことが問題。

 

仮に、

 

「中学受験は親次第ですか?」

 

と誰かに聞かれたら、僕は以下の通り回答します。

 

戦記:「はい、半分当たっていますが、半分は間違いです。結論として、小1-3は親次第です。尚、小4以後は子次第です。

 

現在の中学受験市場は、御三家市場とそれ以外に二極化しています。前者においては、未就学児時代から積極的に学習にかかわる御家庭が増えていることもあり、実質的に新小4の2月の立ち位置が、そのまま小6の終わりまでスライドするような構造になっています。なぜ下克上が起きづらくなったかというと、小4以後の先頭集団の方が進化速度が速いからです。だから、構造上、追い越すのが難しいゲームになっています。よって、低学年時代にその立ち位置にいないと、効率が悪くのです。

 

更に問題をややこしくしているのが、低学年時代には「これさえやっておけばよい」というカリキュラムが存在しないのです。低学年サピックス算数はそもそも「算数」ではないし、国語にしても、実はあれだけやっていても、基礎力を構築することはできないでしょう。カリキュラムが存在しない以上、親が自ら考え、家庭内学習として子にカリキュラムを実践するしかありません。ゆえに、親の寄与度が90%になってしまうわけです。僕としては、これは忌々しき事態だと考えています。なぜならば、親の学習スタイルがそのまま子に引き継がれることから格差が固定化しやすくなる、からです。しかも、小1-3の時間の過ごし方で、中学受験の結果がほぼ決まってしまう。

 

さて、小4以後の高学年は、そもそも大手塾のカリキュラムに乗ることが大事ですので、親の寄与度はかなり低くなります。よって、求められるのは、子による自律走行だと思います。尚、ここで注意が必要なのが、小4-6で塾のカリキュラムに従ってたんたんとこなせば良いというものでもなく、子自らが、「カリキュラムを理解して取捨選択し、且つ、学習方法そのものを効率化していくマインドセット」を養っておかないと、"最難関校に不幸にも合格“した場合、あっという間に下位1/4に沈むことだと思います。

 

結構きついと思いますよ。

 

夢にまで見た第一志望校で、いくら足掻いても下位1/4から上がれない現実は。

 

纏めると、①小1-3は親の寄与度が90%、②小4-6は子の寄与度が90%、だと思います。しかし、左記①の寄与度90%が「塾の言われるままにこなす」ことで達成されている場合は中学入学後に、成績が低迷するリスクが大きくなります。高学年での親の10%は、中学受験終了後を見据えて、「君の学習方法は効率的な方法かい?」という問いかけをして、子を導くスタイルが良いかと思います。

 

以上が、ワインを飲みながら考えたことです。」

 

 

 

 

 

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Posted by senki