『天地明察』(冲方丁/2010年本屋大賞)のレビュー

2021年05月(小6)

2021年5月14日(金)。

 

天地明察(上)』(冲方丁/2010年本屋大賞)

天地明察(下)』(冲方丁/2010年本屋大賞)

 

娘よりも先に読みましたが、これは小5~6中学受験生にお勧めですね。算数が好きな男子ははまると思います。江戸時代の3代家光、4代家綱、5代綱吉、6代家宣までの幕府の動きを理解できるのも魅力ですが、以下を学べます。フィクション部分も多いはずですが、それはご愛敬。

 

①和算と暦の関係。渋川晴海と関孝和との直接のやり取りは実際にはなかったようですが、小説の中では実に面白い。神社を訪問した際には、算額を親子で探してみると面白いと思います。娘は、武田神社(躑躅ヶ崎館跡)で算額を見たことがあります。

 

②2代秀忠の御落胤である保科正之。武家諸法度が成立する過程や、会津藩初代藩主として『会津家訓十五箇条』の第1条にて「会津藩たるは将軍家を守護すべき存在であり、藩主が裏切るようなことがあれば家臣は従ってはならない」と定め、これが幕末の松平容保の悲劇になることも面白い。尚、保科正之は明暦の大火のあとの河村瑞賢とも出会っているので、恐らく娘は河村瑞賢を連想して読むことになると思われます。

 

③水戸藩2代藩主の徳川光圀。水戸黄門様ですね。若かりし頃、「若い頃はとんでもなく荒くれ者だったらしい。真偽は知らないが、徳川家の一員でありながら暴気の赴くままに闇夜を駆け、陰惨な辻斬り行為に耽ったという怖い逸話がある」というのは知りませんでした。

 

④暦をつくることの、政治的・宗教的・経済的な意味。

 

⑤幕府に天文方が設置される経緯。初代が渋川晴海。中学受験社会で天文方というと、伊能忠敬間宮林蔵、後のシーボルト事件での高橋景保が関係してくると思います。この天文方が設立される経緯が分かるのは、歴史の勉強を楽しくしてくれると思いました。

 

 

 

 

★現時点の立ち位置:
・資源配分比率:中学受験90%、中学入学後10%
①公文:数学K20・国語K100で冬眠【2020年1月から】
②公文:英語JII/上位6%【2021年4月9日から】

 

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Posted by senki