親の学習:「重松清」について

「僕」の読書

2016年7月14日(木)、夜。

 

娘を小1からサピックスに通わせて良かったと思うのが、入ってくる情報量。

 

・・・ではなくて、子供をマネジメントする存在としての親の姿勢を考えるきっかけを得たこと。世の中、情報なんて溢れている(※大抵のことは公知情報で分かる)。問題は、情報に対して視線を投げるか、否か。

 

中学受験の国語の問題に採用されることが多いということで、重松清の本を手に取ったのが、たしか5月。カウントしていませんが、すでに5冊は読んだはず。

 

中学受験生の視点から、僕が考える重松清のキーワードは、以下3点。

 

①複雑な家庭環境を理解できるだけの想像力。

②あいまいなニュアンスを示す単語や、行間に書かれていることを読める力。

③小学生とアラフォーくらいの親の世界観。

 

僕が中学受験をした時代には、まだ重松清という作家はデビューしていなかった。まだ、灰谷健次郎がよく出ていた時代。

 

しかし、重松清の、

 

1) 著作の多さ。

2) 天才的な表現力。

3) 「小学生」という受験生から見たら同世代の生活の描写力。含むイジメ。

4) テーマの幅広さ。(※『ナイフ』から『愛○○○』(笑)、まで)

 

を考えると、受験問題に採用される理由が良く分かります。こういう本を読むような、理解できるような子供に来て貰いたい、ということなのでしょう。そして、この作家が僕の選書の対象に全く入ってこなかったことに、ちょっとびっくりしています。本屋で、『流星ワゴン』がハードカバーで売られていたときに、作家名が頭に残っていたくらいのもの。

 

『ナイフ』の一編である「ビタースィート・ホーム」を読んでいて、主人公である「私」の「妻」が仕事を辞めた後の変化に対する評価なんて、単語どころか行間にも書いてない。しかし、全体として、「仕事を辞めさせなければ良かった、でも・・・」という価値観に満たされている。

 

「後悔はある。もう口には出さないけれど、ずっと認めていたい。間違ったことをやってしまって悔やむのとは違う、正しいことを二つ同時に選べなかった悔しさを背負って、私は、たぶん妻も、子供を育て、いつかまた夫婦二人の暮らしに戻り、やがて年老いていく。(p.385)」

 

12歳の中学受験生が、同じような表現を読み解く必要があるのかと思うと、どこまで読解力が問われるのか想像できて、とても楽しいです。

 

だんだん、2022年の2月に娘が到達しているべき読解力のイメージが湧いてきました。

 

なので、夏の間に、僕は、桜蔭の過去問(=国語としては最難関とのことなので)を、受験生と同じ試験時間で一度解いてみようと思っております。

 

このブログは『桜蔭戦記』だからね(笑)。

 

小1娘の親である僕が、2016年現在で小6女子受験生α1が夏(の後かな?)に格闘する問題を解くなんて、けっこう面白いと思う。

 

なんでもそうだけど、Reverse Engineeringって大事。

 

そして、ワインも、時計も、食材も、受験問題も、頂点から知るべき。そうでないと、時間切れになる。

 

 

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Posted by senki