僕の読書メモ:『「中学受験」の経済学 (わが子の学歴のつくり方)』(野田英夫著)

「僕」の読書

備忘メモ。良い本でした。

 

(1)書籍名

『「中学受験」の経済学 (わが子の学歴のつくり方)』(野田英夫著)

 

(2)筆者の主張

大手塾は、子供の個性まで見抜いて気をくばる仕組みになっていない。子供は、休まないウサギ、普通のウサギ、普通のカメ、に分かれる。大手塾は、「休まないウサギ」にしか興味が無い。だから、大手塾の育成対象から漏れた遭難者がたくさん出ることになる。

 

学歴は親が子に残せる最大の相続財産。

 

大手塾の周りには個別指導が衛星のように取り巻いている。これら個別指導は、大手塾の補習に特化したビジネスモデル。

 

大手塾の問題として、目標が志望校合格ではなく、ひとつでも上のクラスに行くこと、になってしまう。

 

実は、小5の4月で偏差値40後半あれば、早慶8中学は合格可能圏にある。

 

小5の壁。

 

大手は上位10-15%の子供しか見ていない。クラス選別システムでは、一旦落ちこぼれるとリカバリーが困難。

 

大手塾は、志望校対策をするのが遅い。小6秋に志望校対策を開始する。なぜか?そうしないと、成績下位層に転塾されてしまうからである。

 

成功を左右するのは、物物をやり抜く力。アンジェラ・リー・ダックワースの研究。

 

走り続けるコツをつかんだウサギ。

 

世帯年収と成績は比例する。最終学歴と生涯賃金も比例する。父親の最終学歴と学力も比例する。良く考えれば、当たり前の話である。

 

我が子に高学歴を手渡すということは、高いキャリアと生涯賃金を渡すことと同じ。

 

中学受験は親子のシナジー効果が働きやすい。小学受験では早すぎ、高校では遅い。

 

12歳時点での子供の精神的な発達は、嫉妬の感情を理解できるかどうか、で分かる。

 

早熟の子供でないと、御三家は向かない。晩成タイプの頂点にあるのが早慶8中学である。御三家はスプリント選手、早慶8はテニス選手。同じ運動選手でも、タイプが違う。早慶は私立の雄。進路の広がりがある。早稲田5、慶応3、中学校が存在。

 

偏差値の信頼性が、過去よりも落ちている。つまり、偏差値と合否予測の乖離。大手塾が主催するテストが巨大化して、問題に個性が無くなる。しかし、私立中学の入試は個性化が進んでいる。また、記述も増えている。つまり、番狂わせが多くなる。

 

子供が目指すべき頂点が、御三家向きなのか、早慶8向きなのか、の見極め。

 

大手は授業を、見せない。ボーとしてる子供を親に見られたくないからだ。また、講師と親があうと、家庭教師依頼などの掛け持ちになりすい。

 

ピグマリオン効果。小4までは親の期待が成績に現れる。しかし、そのあとは難しい。期待が重荷になることもある。

 

父親よりも母親の振る舞いが、子供を追いつめる。研究の結果、最も効果的だったのは、父親が息子の勉強を横についてみること。

忘却曲線。英単語を連続10回書いて覚えるのは、戦略的ではない。1つめを2回書き、2つめを2回書く。これを5セット繰り返すほうが効率的。漢字については、寝る前の書き取り、起床時のテストが効率的。忘却と再生。

 

必要なのはどんな困難が襲ってきても、それを乗り越えられる力。中学受験は、この能力を培うための入口。

 

子供の、涙。悔し涙なのか、もう嫌だ涙なのか

ケアレスミスなんて存在しない。

 

中学受験を目指す家庭の母親は、専業主婦が多い。しかし、敢えて言う。専業主婦のお母さんは偏狭な教育ママになりやすい。

 

嬉し涙。受験を勝ち抜いた子供の多くは涙をながして喜ぶ。

 

(3)感想とAction Item

良い本でした。「早慶道場」という塾、面白いですね。経営戦略的にも優れている印象。

 

→娘を「休まないウサギ」にしよう。目指そう。とても良い本なのですが、「どうしたら、休まないウサギを作れるのか?」の分析はしていません。

 

 

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Posted by senki