僕の読書メモ:『中学受験 やってはいけない小3までの親の習慣』(西村則康著)

「僕」の読書

備忘メモ。この本の価値は、「行間の裏」を読めるかどうかで決まる。

 

(1)書籍名

『中学受験 やってはいけない小3までの親の習慣』(西村則康著)

 

(2)筆者の主張

多くの「お母さんたちは~」、アドバイスをしにくいのが「お母さんとお子さんの関係」。(※親、といっても、母親を主に対象としている本ですね。)

 

乳児・幼児向け早期教育で、能力があがったといえるかどうかは別問題。自分で試行錯誤して考えて解くのとは違う。

 

子供のことを思うのならば、子供の自然な成長に合わせたことを十分にしてあげてほしい。暗記や反射の訓練だけではなく、多彩な日常経験を親子で楽しく。

 

幼児期の五感を使った遊びが学力の基礎になる。見る、聞く、触れることで養われる身体感覚が、将来の学習における納得感のもとになる。

 

9歳の壁。小学校4年生で、子供は自分を客観視する能力を獲得する。この壁を乗り越えられないのは、不自然な早期教育、過剰なお稽古三昧にともなう一般的な日常体験の不足。自分を客観視することで、負けや勝ちが分かる。

 

子供は勉強として意識すると、嫌いと言い出す。

 

自分の考えていることをつたなくても自分の言葉で表現できる子=伸びる。

 

日常生活が学力の基盤。

 

手足をたくさん使う遊び。

 

キッチンで学ぶ。魚や野菜などの料理を経験させる。社会の基礎は買い物で身につく。

 

大人の言葉で話す。助詞を使う。

 

スマホは親が使いかたを見直すべき。

 

親が楽しまないと子供は学ばない。

 

幼児向け英語教育には期待しすぎない。親の海外赴任などで現地の小学校に通えば、子供はあっという間に現地の言語を覚える。急がず、長いスパンで考える。高校、大学、就職、留学と目的ごとに学び方を変えればよい。

 

公文式はじっくりやる。問題の意味をよく理解せず、スピードを上げて速く進めば良いものではない。文字を丁寧に書く。個人の力に合わせる、友達と比較しない。

 

受験対策塾の低学年は全く不要。小学校受験の延長にすぎない。算数は図形が多く、パズルとして難しい。まだ学校の算数では数量関連で習っていないものが少ないため、図形以外では難しい問題が多くは作れないからそうなる。これらは中学受験の勉強には繋がらない。1年生で偏差値、クラスの上げ下げは早い。競争原理を強いるな。弊害は、お母さんが非常に早い段階から成績に拘ってしまう。我が子がいつも優秀ならばよいけど、そんなのはクラスに数名。子供はがんばっているのにそれを認めて貰えない子、という構造になると勉強嫌いになる。

 

先取り学習の弊害。極端に言えば、小学校3年生で6年の内容を教える。99%の子供にはやめたほうがいいでしょう。しかし、低学年では基礎訓練は有効。計算は自然にのびるにはよい。子供が楽しむ分には良い。子供が余裕をもって続けるにはお勧め。

 

そろばんは強い武器になる。1級3桁の掛け算が一瞬でできるレベル。武器になる。

 

嫌がる習い事はやめる。習い事など、やらなくても別にかまわないもの。

 

最大のご褒美は、お母さんの笑顔と自分の納得感。モノをご褒美にするな。なるほど!、そうか!、という快感。

 

音読の重要性。算数の三行の壁。問題文をよみながら、情景をイメージできるかどうか。暗誦も良い。

 

読書はたくさん読めばよいとうものではない。ストーリーの面白いものを読んでも限界。ストーリーだけを追うような読み方では、読解力は身につかない。

 

お勧め書籍、高学年向け。

 

①『偶然の祝福』(小川洋子)

②『冬のはなびら』(伊集院静)→ブログ始める前に読了済み。

③『ロング・ロング・アゴー』(重松清)→同上。

④『ウナギ 大回遊の謎』(塚本勝巳)

⑤『科学の考え方・学び方』(池内了)

⑥『昆虫はすごい』(丸山宗利)

 

中学受験に頻出する書籍リスト。日能研調べ。

 

①『農は過去と未来をつなぐ~田んぼから考えたこと』(宇根豊)

②『小学五年生』(重松清)

③『しずかな日々』(椰月美智子、やづきみちこ)

④『十二歳』(椰月美智子)

⑤『なつかしい時間』(長田弘)

⑥『今ここにいるぼくらは』(川端裕人)

⑦『生態系は誰のため?』(花里孝幸)

⑧『リボン』(草野たき)

⑨『あと少し、もう少し』(瀬尾まいこ)

⑩『友達幻想~人と人のつながりを考える』(菅野仁)

 

・・・などなど。頻出作家が大事かも。以下も日能研調べ。

 

①重松清(しげまつきよし)

②椰月美智子(やづきみちこ)

③外山滋比古(とやましげひこ)

④あさのあつこ

⑤齋藤孝(さいとうたかし)

⑥小川洋子(おがわようこ)

⑦森博嗣(もりひろし)

⑧養老武司(ようろうたけし)

⑨森絵都(もりえと)

⑩瀬尾まいこ(せおまいこ)

⑪宇根豊(うねゆたか)

 

(3)所感とAction Item

正論を展開する良本。だからこそ、普通に読むと面白くない。

 

筆者が意識しているのか否か不明ですが、この本のタイトルは「親の習慣」と書いてありますが、内容の90%程度は、「母親」を対象にしています。よくみると、表紙の絵も、母親と子供(息子)だし。

 

この本の行間の、更にその行間の裏に書かれていることは、以下の通りだと理解しました。

 

①母親=専業主婦、が中学受験のスタンダード。

②父親は仕事が忙しい、または子供の勉強に付き合いたくないから、関与しないのがスタンダード。

③専業主婦な母親は真面目。しかし、間違えた方法で子供をマネジメントする傾向が強い

 

・・・なんで専業主婦は間違える傾向が強い、というのは僕の仮説とも一致します。あくまでも、「傾向」。統計を取ったらマクロでは、学歴やIQや社会人経験の豊富さが、キャリアを積んでいる女性>専業主婦、なのかもしれないけど、直接の関係はないだろう。

 

『VERY』とかを読んでいて僕が思うことでもありますが、環境の影響が大事だと思います。

 

a) 専業主婦は、同級生の保護者(専業主婦)と付き合う機会が多い。よって、周りの情報に詳しくなる。耳をふさげない。詳しくなると、競争せざるを得なくなる。

 

b) 専業主婦は、時間がある。よって時間の制約が少ないので、絶対量を追うことができる。だから間違えた方法で突き進めてしまう。

 

c) 専業主婦は、金がある。働かなくても家計が困らないわけですから。だから、予算制約無しに突き進めてしまう。

 

つまるところ、「正しい方法でアプローチすれば圧倒的に専業主婦世帯は有利」なのですが、「間違えた方法でアプローチすると勘違い系を突き進む可能性がある」、ということが、専業主婦世帯の強みと弱みだと、僕は考えています。

 

統計が無いのではっきりとは言えませんが、

 

x) 専業主婦世帯

 

y) 共働き世帯

 

の子供の成績の分布を考えた場合、xの方が標準偏差が大きい気がします(=バラつきが大きい)。特に成績にすら出てこない「脱落」(=潰す)を考えると。

 

さて、それにしても、夏休みにおける正しいアプローチをしている専業主婦世帯は最強である!「精神と時の部屋」で修行している人たちに、僕と娘は下界で修行しないといけない。そして、これは、学年が進めば進むほど、影響が大きくなる。

 

 

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Posted by senki